あなたの症状は、どの臓器から? ~「内臓」で見る病気のタイプ~

感情、心の症状と内臓

 

イライラや不安や恐れ、それらはその人の生まれ持った”性格”と思われています。

確かにそれは正しいし、世の中の多くの人が一般的にそう考えているでしょう。

しかし東洋医学の世界では、内臓には感情が存在すると考えられています。

つまり、内臓のトラブルが原因で感情が乱れたり、また逆に感情の偏りが原因で内臓を患ったり

感情と内臓には深い相互関係が存在すると言われています。

この仕組みを知ることで、自分の性格に対する理解が深まったり、健康意識が高まることで食養生を心がけれるようになるかもしれません。

例えば、「最近なんだかイライラする」という人は肝臓に何かトラブルがある可能性があります。

東洋医学の五行論に当てはめると、怒りやイライラという感情は肝臓と深い関りがあります。

暴飲暴食が続いたりして、肝臓が疲弊すると怒りという感情を起こしやすくなるので、イライラを自覚したら肝臓を養生する生活を心がけると良いでしょう。

 

社会生活する以上自分の感情とはうまく付き合わなければいけません。感情をコントロールすることが難しいと自律神経を乱して大きな病気になりやすいので、臓器と感情の関係を知り生活習慣の改善をしていきましょう。

 

上の図は、東洋医学の五行論を内臓にあてた図式です。

肝臓は怒り、心臓は喜び、脾臓は憂い(思い悩む)、肺は悲しみ、腎臓は恐れ、

このような相互関係が成り立つのがわかります。

では一つ一つ症状と養生法を見ていきましょう。

 

怒りっぽい「肝」型の人

長年怒りの感情を手放せないでいると肝臓を患ったり、また飲食での肝臓への負担が怒りという感情として心のクセになってしまうことがあります。

肝臓に不調をきたすと、イライラして疲れやすくなったり、爪が欠けやすくなったり、首や肩がよく凝るようになりします。

眉間にしわが寄っている人は要注意です。

日ごろのストレスを減らすように心がけるのはもちろん、アルコールや暴飲暴食には気を付けて肝臓を養うようにしましょう。

肝臓症状チェックリスト

□貧血やめまいをおこす

□イライラして怒りっぽい

□酸っぱいものが好き

□目が疲れやすく視力が悪い

□爪が欠けやすく縦に線が入っている

□脚がつりやすい

□優柔不断

□肩や首がよく凝る

□わき腹や胸がよく張る

□お酒をよく飲む

 

明るく豪快な「心」型の人

東洋医学では、「心」は心臓をさしますがこれは内臓だけではなく、人の心(こころ)をも意味します。

心は喜びの臓器にあたりますが、これは「心タイプの人は喜びが多く良いことだ」というわけではありません。

喜びも過剰になると興奮状態が続き、動悸や息切れ、不安感や不眠などの不調つながります。

 

実は食欲が旺盛で明るい人は、心の不調をきたしやすいのです。

声が大きく社交的で明るいという特徴がある一方、他人の心の状態に疎いという側面もあります。

動悸や不眠が続くとしたら、「心」の不調を疑うようにしてみましょう。

 

心臓症状チェックリスト

□動悸や息切れがある

□精神的に動揺しやすい

□ぼーっとすることが多い

□手足が赤くなり、火照る

□口内炎が舌にできる

□血行が悪く手足が冷える(※実は火照りも冷えの一種)

□寝つきが悪く、眠りが浅い

□高血圧または低血糖

□腕の内側が痛んだりしびれたりする

□味覚が鈍くなる

 

心配が頭からはなれない「脾」型の人

東洋医学で「脾」とは消化吸収の役割をする臓器。つまり胃腸全般をさします。

上記の五行論の図でいうと脾は憂いの臓器、つまり思い悩んだり心配が頭から離れない症状につながる臓器になります。

胃腸が弱い人は心配性になりやすく、また悩みやストレスを抱えすぎると胃がもたれて食欲不振になりなります。

肌は黄色っぽく、やせ型か水太りタイプ、顔やお尻がたるみやすいという特徴があります。

ストレスが胃腸にでる人は、食べ過ぎに注意、消化に良い食べ物をしっかり咀嚼して胃腸に負担をかけない生活を心がけましょう。

腸内環境が整うことで心配性は軽減され、うまくいけば克服できます。

脾症状チェックリスト

□よく胃が痛くなる

□ストレスが胃腸にくる(下痢、嘔吐)

□取り越し苦労や思い悩むことが多い

□立ちくらみが起こりやすい

□甘い物が好き

□口角が荒れやすい

□人よりも疲れやすいほうだと思う

□雨の日に体調が悪くなる

□顔のたるみが気になる

□季節の変わり目に体調を崩しやすい

 

繊細な気質の「肺」型の人

肺は東洋医学では呼吸器の肺だけでなく、膚呼吸をする皮膚や呼吸の通り道である鼻なども含まれます。

五行論では悲しみの臓器と言われており、肺に不調をきたすと悲しみの感情ばかり出るようになり、繊細な心の持ち主となります。

多くの芸術家や作家が肺結核で亡くなる人が多かったのも、人を魅了する繊細な思考や表現力が関係したのかもしれません。

色白で細い体格、鼻炎や咳が出やすいという特徴があります。

もともと色白というわけではなく、肺を患って色が白くなる場合もありますし、それによって痩せてしまうこともあります。

また呼吸が浅くなると自律神経を乱しやすく精神的に不安定になりがちです。

瞑想やヨガの呼吸を身に着けたり、脂肪分の多い食事を避けるようにして肺を養うよう心がけましょう。

肺症状チェックリスト

□痰や咳が出やすい

□鼻水、鼻づまりになりやすい

□声が小さい、かれやすい

□アレルギーや花粉症がある

□悲観的

□色白

□辛い物が好き(唐辛子料理など)

□髪のツヤがない

□肌のトラブル(肌荒れ、乾燥肌)が多い

□しわが気になる

 

臆病から抜け出せない「腎」型の人

東洋医学で「腎」とは腎臓をさしますが、それ以外に生殖器や免疫系、内分泌器官をもさしたりします。

五行論の図のように、腎は恐れの臓器、つまり些細な事で怖がったり驚いたりする人は、腎を患っているからかもしれません。

特徴としては、塩辛い物が好きだったり、体が冷えやすく、トイレが近いなどの傾向があります。

ストレッチやヨガで筋肉に適度に負荷をかけたり、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動で新陳代謝を高めていくと腎は養生できます。

また腎を養う食材として、黒ゴマ、海藻類、エビ、ニラなどがオススメです。

腎症状チェックリスト

□手足や顔がほてるほど冷え性

□足腰がむくむ

□些細な事でびっくりする

□病気が治りにくい

□塩辛い物が好き

□耳鳴りがする、耳が遠くなった

□抜け毛や白髪が増えた

□虫歯になりやすい

□老けて見られる、物忘れが多くなった

□トイレの回数が多くなった

 

施術は内臓に良い影響を与えます

臓器はそれぞれが人の感情と密接に関係しており、病気の症状としてトラブルが表面化します。

普段から行える食生活への気づかいや、運動習慣や呼吸を変えることが内臓を癒して感情の安定を図ることにつながります。

当院の施術では、カウンセリング、問診、検査を丁寧に行い、つらい症状と関連する臓器、関連する脊柱や自律神経支配神経を考慮し、

必要な調整を実施していきます。

また、施術介入が終了しても良い状態を維持するために必要な生活の工夫も提案させていただきます。(※もちろん続けやすいことで)

 

最近なんだかイライラする…

最近なんだか眠れない…

よくわからないけどとにかく不安…

 

これらは内臓のトラブルのサインかもしれません。

自律神経を整えて内臓を改善し、苦しい感情のスパイラルから一緒に抜け出しましょう。