院長コラム

鉄不足と自律神経について

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鉄不足が自律神経とどうかかわっているのか?について紹介していきます。

自律神経失調症の主な要因として、ストレスと栄養の過不足が考えられます。自律神経が乱れたり、不安やイライラまたはうつ状態になる原因として、セロトニン不足は有名ですね。

だから、その原料であるトリプトファンを取るために、豆乳や納豆を食べたり、赤身の肉を食べたりなど、そのようなアドバイスは今や常識的に言われていることです。確かに間違いなく大事な要素です。

しかし同じくらい、鉄分も自律神経に大事な要素です。

鉄の重要さ ~意外と知られていない鉄の役割~

意外と知られていないのが、栄養素としての鉄分の不足です。

特に女性の自律神経失調症や、更年期障害の方に多いのですが、鉄不足が原因でそのような体の不調を訴える方が多いのです。

ストレスが溜まると、多くの人はケーキやチョコレート、甘い缶コーヒーなどを摂ってしまう食生活をしてしまいます。

実はチョコレートやコーヒーなどのちょっとした嗜好品には、タンニン呼ばれる化合物が含まれており、それが鉄不足になる要因になると言われております。

そうです、お察しの通りタンニンには鉄の吸収を阻害する働きがあります。

鉄が不足すると、疲れやすくなるとかイライラするとか言われていますが、これは本当のことです。

というのは鉄分というのは肺から取り入れた酸素を、体中に運搬するヘモグロビンを合成する役割を担っております。

ヘモグロビンが合成されずに血液中に酸素が不足すると、体中の組織や神経に栄養が運ばれなくなり、すぐに疲れたり、ふらついたり立ちくらみがしたりなどの、あらゆる不調につながります。

当然ですが頭の働きも、いつもよりは鈍くなります。

鉄が不足して自律神経が乱れると聞いても、あまりピンとこない人が多いかもしれませんが、鉄分は体の中でセロトニンや、ドーパミンなどの脳内ホルモンを合成する助けをします。

なので鉄が不足すると、いわゆる幸せ物質といわれる脳内ホルモン(セロトニン、ドーパミン)が、体内で作られにくくなります。

特にセロトニンが不足すると、自律神経のバランス調整に必要なセロトニン神経が不活発になり、
あの原因不明のイライラや不安感や、眠れなくなるなどの自律神経失調症の症状が現れるのです。

また「むずむず脚症候群」というのを聞いたことがありますが、実はこれも鉄分が不足して起こるものと言われております。
むずむず脚症候群は、よく寝る前に起こると言われる足がムズムズムズムズというような異常な感覚を覚えて、眠れなくなる症状ですね。

「むずむず脚症候群」は体内のドーパミン不足で起こると言われておりますが、鉄分が不足するとセロトニンと同様ドーパミンも体内で合成されなくなります。

だからむずむず脚症候群の治療として、鉄を補給する治療は医療の現場でも、行われております。

これらのことより原因不明な症状、不定愁訴、最近何だかイライラする、またはそわそわするなどの精神的な症状が現れた場合は、一度「鉄不足」を疑ってみるのも良いかもしれません。

 

鉄なら何でも良いのか?

 

では、鉄分を補うために、鉄分が多く含まれていると言われている食材のほうれん草や小松菜、葡萄やプルーンなどの植物性の食品を取るべきか?

はたまたお肉や、豚レバーなどの動物性の食品を取るべきか?

という疑問が湧いてくると思われます。実はこれ大切なポイントになります。

なぜ大切なポイントかと言えば、これは鉄を体内に効率的に吸収できるかどうかの、大きな違いになってきます。

結論から言ってしまえば「動物性」の食品から鉄分をとったほうが、効率的に体内に吸収されます。

植物性の鉄分は非ヘム鉄と言われており、動物性の鉄分はヘム鉄に分類されます。

鉄分と言うのはとても体に吸収されにくい栄養素です。

ヘム鉄は体に吸収されやすい構造になっており、専門の吸収経路があると言われております。

また吸収されにくい非ヘム鉄を多く食べた時、吸収されなかった鉄分は腸内に残り悪玉菌を増殖させる危険因子になってしまうのです。

腸内で悪玉菌を増やす事は、あらゆる体調不良を招く原因になりかねませんので、極力避けなければいけません。

もしほうれん草や小松菜などの植物性の食品から鉄分を取りたい時は、鉄分の吸収を助けると言われているビタミンCを多く含む食品を一緒に食べたほうが良いでしょう。

もしくはサプリメントを適度に使うのもオススメです。

鉄分をとるときは、「吸収されやすいかどうか?」ということを十分に考慮して、食材を選ぶようにしましょう。

 

鉄不足は体を硬くして歪ませる!?

またこれは施術に関係することですが、鉄分には体内の粘膜を柔らかくしたり、筋肉や腱の柔軟性を保つ役割もあります。

体の筋肉や腱などの軟部組織が硬く緊張がとれなかったら、背骨や骨盤などの骨格が歪んでしまい、体全体の構造的なズレにつながる恐れがあります。

なので施術で骨格調整を行って効果が得られやすく持続する人と、効果が出るのに時間がかかる人もしくは効果があってもすぐに戻ってしまう人、これらの違いは鉄不足に関係しているかもしれません。

 

体の構造的な歪みというのはそれ自体が、一種のストレス(構造的ストレス)になってしまうのです。
構造的ストレスは自律神経を乱してしまう立派な要因になってしまいます。

 

やはり日ごろから鉄不足になっていないか、症状がある人は振り返ってみると良いでしょう。

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