施術と施術の間のセルフメンテナンスについて ~マインドフルネスのススメ~

施術と施術の間に何をすれば良い?

施術である程度、体の状態が整って、

「スッキリしました」

「からだが楽になりました」

と言ってくださる方がいます。本当にありがたいことです。

ただ一方で、

「次の予約まで間に体の状態が元に戻ってしまう」

「施術の間隔を詰めたいが、そんな余裕がない」

と正直に言ってくださる方もおられます。

特に不調の原因が、精神的ストレスや睡眠不足などから起因している場合は、

「一回の施術だけで症状がピタリと消えました」

となるのは、なかなか難しいです。

(たまにそう言ってくださる方もおられますがごく稀です)

 

そこで「施術と施術の間になにをした方がいいですか?」と聞かれたときに、多くの人に勧めているセルフメンテナンスがマインドフルネスです。

マインドフルネスは、治療家が近くに居なくても自分一人で行える最高の休息法であり、

超オススメのセルフメンテナンスです。

~マインドフルネスによって期待できる効果~

→精神的ストレスの低減

→感情のコントロール

→寝つき・睡眠の質の改善

→免疫機能の改善

→集中力・記憶力の改善

→姿勢改善、体の構造的ストレスの低減

→疼痛の軽減

 

マインドフルネスをお勧めする3つの理由

①体の不調は脳の疲れ

 

「特に何かしているわけでもないのに、なんだかいつも疲れている…」

「休みの日にはお昼まで寝ているのに、休日明けは体が重い」

「以前より落ち着きがなくなり、集中力も続かない」

 

これらは全部体が疲れていると思われがちですが、

実は脳に疲れが溜まっている可能性があります。

通常の日常生活で過酷な筋トレでもしない限り、肉体疲労が溜まることはありません。

脳の疲れがあると、しっかり体を休めていても知らない間に疲れが溜まっていきます。

施術と施術の間に戻ってくる不調も、脳の疲れを管理することで概ね解決できるかもしれません。

 

だから脳の疲れを解消する正しいやり方を知る必要があります。

その方法が世界最先端の脳科学によって、解明されつつあるマインドフルネスです。

 

 

②「ぼーっとする」「のんびり過ごす」では脳の疲れは取れない

「脳を休める方法」と聞くと、

”たくさん睡眠をとること”や”何も考えずにぼーっとする”などを思い浮べる人がいると思います。

しかし眠っていても、何もせずにぼーっとしていても脳ミソはしっかりと働いています。

特に大脳の内側前頭前野、後帯状皮質という部位はデフォルトモードネットワーク(以下DMN)と言われており、

何もしていなくても、脳のエネルギーを大量に消費してしまう厄介な特性を持っています(もちろん良い働きもします)。

 

「仕事で大きなプレッシャーを抱えている」

「人間関係に疲弊している」

「子育てが思うようにいかない」

 

そんな局面にいる時、休日にぼーっとしていても頭に雑念が浮かんできませんか?

 

それは脳内のDMNがフル稼働して雑念や実態の無い不安感を生み出し脳のエネルギーを消耗させているのです。

その結果、「疲れた感じ」が慢性的に居座ってしまいます。

 

マインドフルネスは雑念を作って私たちの脳を疲労させてしまう回路DMNの働きを鎮める効果があります。

 

またある研究ではマインドフルネスを習慣にすることで大脳皮質(脳の細胞部分)の厚さが増加したとの報告もあります。

 

つまりマインドフルネスは単なるストレス解消法にとどまらず、

脳の構造自体を根本的に変える可能性があり、またそれは脳の機能を高めることを示唆します。

 

 

 

③初めての瞑想でも5日間で効果が出ることもある

マインドフルネスとはシンプルに言えば瞑想です。

「瞑想なんて何年も続けてないと効果ないんじゃないの?」

「僧侶とかイチローとかビル・ゲイツがやるもので一般人にはムリっ!」

と思われるかもしれません。

 

確かに脳の構造を変えるほどの結果が出た人たちは、年単位でマインドフルネスを続けた人たちです。

 

しかし、たった5日間の取り組みでも効果があったという報告もあります。なので、短期的なマインドフルネスが全く無意味と言うわけではなさそうです。

最初は5分でもいいし、それが無理なら3分、いや30秒でも構いません。

ちなみに私は、初めて瞑想したとき1分たりとも継続不能でした。雑念の塊です(汗)

疲労感や不安感に打ちのめされるのはもったいないです。

何もやらないよりは、少しでもやったほうが絶対良いはです。

 

 

 

誰でもできる”マインドフルネス”のやり方

①基本姿勢をとる

 

・座布団にあぐらをかくか、椅子に座って背筋を伸ばして、背もたれから離します。

・手は太ももの上に置いて、脚は組まないほうが良いです。

・目は閉じます。薄く開けて2mほど前をぼんやり見ても良いです。

 

②体の感覚に意識を向ける

 

・足の裏と床の感触、お尻と椅子の感触、手と太ももが触れている感触などを意識します。

・体に重力がかかっているのを意識します。

 

③呼吸に注意を向ける

 

・深呼吸する必要はなく、普段の呼吸を意識します。

・呼吸が鼻口を通る感覚や、入ってきた空気で肺やお腹が膨れる感覚を意識します。

・呼吸を1回するごとに「1」「2」「3」とカウントするのも効果的です。
※「10」まで数えたらまた「1」に戻ります。

 

 

④雑念が浮かんでも、、、

 

・不安感や怒りなどの雑念が浮かんできても、それを消そうとせずに「そのまま」にして頭の脇に置いておきます。

・そしてまた意識を呼吸に戻します。

※そうすることで、その雑念は徐々に小さくなり、また新たな雑念が浮かんでくるかもしれません。
そしたら同じことを繰り返します。

 

 

「うまく出来ない!」と思ったら?

「このやり方で正しいのかわからない」

「1日に何分やればいいの?」

「雑念ばかりで苦しいだけ、うまくいっていると思えない」

「みんなには効果的かもしれないが、どうせ私には効果がない」

 

マインドフルネスは初期仏教をもとに宗教的要素をすべて取り除いた健康増進法です。

だから宗教儀式のように

「こうでなければ救われない」

ということがほとんどありません。

体の感覚と呼吸を意識すること、それ以外ではある程度自分でアレンジすることも可能です。

よく陥りがちなのが、雑念が浮かんでくることで自分を責めてしまうことです。

マインドフルネスをしていると雑念が浮かんでくるのはごく自然なことであり、初心者ならなおさらです。

雑念をそのままにする訓練、つまり反応しない心を育むことこそ、心身ともに健康になることのカギになります。

だからマインドフルネスの最中に雑念がたくさん思い浮かんでくることは、むしろマインドフルネスが上手く進んでいることを意味します。

1日3分でも5分でも良いので、毎日続けることをお勧めします。

できれば時間帯や、瞑想する場所も固定しておいた方が良いでしょう。

 

※申し出ていただければ施術の最後に数分間のマインドフルネス一緒に行います。ぜひぜひ。