自律神経とホルモンの働き ~整体で自律神経を整える~

 

ホルモンバランスは人が健康に生命を維持するために必要な要素です。

ホルモンのバランスが乱れることで、糖尿病や癌、不妊症などの婦人科疾患、そしてうつ病や神経症などの精神疾患を引き起こします。

 

自律神経が乱れると、ホルモンバランが乱れます。

それは、体の各部位から分泌されるホルモンは交感神経支配のものと副交感神経支配のものがあります。

例えば、血糖値を上げるホルモンであるアドレナリンは交感神経支配、血糖値をる下げホルモンであるインシュリンは副交感神経支配です。

だから交感神経にも副交感神経にも偏ってはいけません。

自律神経のバランスは、ホルモンバランスを整えること、ホルモンバランスを整えることは、健康で幸せな人生を送るための基本です。

 <図:交感神経系>

 

 <図:副交感神経系>

 

 

 

代表的な内分泌ホルモン

ここで代表的なホルモンと自律神経支配を紹介します。

 

下垂体ホルモン(脳幹にある生命を維持するために重要な分泌器官)

(前葉)

成長ホルモン  <交感神経支配>

 

人の成長を促すホルモンで、炭水化物、たんぱく質、脂質の代謝を促す交感神経支配のホルモンです。

また肝臓でグリコーゲンを分解し、血糖値を上げる働きを持っています。

脂肪の燃焼をスムーズにしたり、病気に対する抵抗力をつけたり、筋肉の成長を促し筋力アップさせたりなど、健康的に生きるために重要な役割

を担っています。

良質な睡眠をとることで分泌が促されます。なので睡眠不足の人はこのホルモンが十分に分泌されない可能性が高まります。

 

甲状腺刺激ホルモン <交感神経支配>

甲状腺ホルモンの生成と分泌を促す交感神経支配のホルモンです。甲状腺ホルモンは後述。

副腎皮質刺激ホルモン <交感神経支配>

副腎皮質ホルモンの生成と分泌を促すホルモンです。副腎皮質ホルモンとは、糖質コルチコイドとアンドロゲンなど、血糖コントロールやたんぱ

く質代謝などに重要な役割。

 

卵胞刺激ホルモン

卵巣内の卵胞を成熟させ、卵胞ホルモンの生成と分泌を促す役割があります。

黄体形成ホルモン

これも生殖に重要な役割を果たすホルモンで女性の排卵を誘発したり、排卵後の黄体形成を促すホルモンです。

男性においては男性ホルモンの分泌を促します。

乳腺刺激ホルモン(プロラクチン)

女性が分娩後に乳汁の生成を促進します。

(中葉)

メラニン刺激ホルモン

メラニン細胞を刺激し、皮膚を黒くします。

(後葉)

オキシトシン <副交感神経支配>

愛情ホルモン、幸せホルモンとも言われ、感情を支配する大脳辺縁系に作用し、充足感や安心感が得られ、リラックスできるように働きます。

また子宮を収縮させる働きがあるため、陣痛促進剤として用いられることがあります。

抗利尿ホルモン(バソプレッシン) <交感神経支配>

血圧を高める作用があります。腎臓に働きかけ、腎臓での水分の再吸収を促し、尿を凝縮させます。

 

 

松果体(同じく脳幹部に存在する分泌器官)

メラトニン <副交感神経支配>

睡眠ホルモンと言われるホルモンで、日没から夜にかけて分泌され、入眠を促します。

もともとはセロトニンからできているものであり、セロトニンの分泌がうまくできていないうつ病患者さんはこのメラトニンが生成されないため、睡眠障害になりやすいです。

また年を取ると、このメラトニン分泌量が少なくなります。

そのため若い人はこのメラトニン分泌に問題ないと言われています。しかし、スマホやパソコンのブルーライトが脳を刺激してメラトニン生成を阻害するので、若い人でもこのメラトニンが不足して不眠症になるひとが増えています。

メラトニンの原料は食事で摂取されるトリプトファンです。トリプトファンが腸内でセロトニンとなり、セロトニンが脳で別の酵素と働いてメラトニンとなります。

生体リズムの調整、性腺の抑制作用、催眠作用、そして入眠時に深部体温を下げるなど重要な役割を果たします。

 

甲状腺

サイロキシン <交感神経支配>

精神活動の活性化、認知機能の発達の促進、発育のの促進、心拍数の増加、物質代謝の促進を促すホルモンです。

全身の細胞に働きかけます。

【甲状腺ホルモン障害による病気】

①バセドウ病:

サイロキシンの過剰な分泌で甲状腺が炎症・肥大する病気。

頻脈、眼球突出、異常発汗などの症状を呈す。ストレス下の女性がなりやすい、交感神経異常亢進の病気。

②橋本病:

甲状腺ホルモンが減少する病気。自己免疫により甲状腺に自己抗体ができて甲状腺を破壊していく。

そのため徐々に甲状腺機能は低下していきます。体重増加、浮腫み、寒がり、低体温、食欲低下、疲れやすいなど交感神経機能低下による病気。

 

副腎(腎臓の上についている内分泌器官)

 

<副腎皮質ホルモン>

電解質コルチコイド(アルドステロン) <交感神経支配>

尿からナトリウムイオンの再吸収の促進し、カリウムを尿で排泄します。

下がった血圧を上げる働きをする重要な役割。

 

糖質コルチコイド  <交感神経支配>

脂肪やたんぱく質を糖質に変えて、血糖値を上げるホルモン。

リンパ球を減少させて炎症を抑える役割。抗炎症作用のあるステロイド剤と同じ役割です。

不足すると炎症が治りにくくなります。

 

副腎アンドロゲン

男性ホルモンで知られているホルモンですが、女性でもわずかに分泌されている。成人ではほとんど作用はないとされているが、胎児期は重要な役割を果たしていると言われています。

まだ、はっきりとされていないことですが、妊娠時に母体が過剰にストレスを受けると、胎児の副腎皮質ホルモンまで母体が使ってしまうと一部では言われています。そのため、男性ホルモンを十分に浴びなかった胎児は脳は女性化する可能性が高く、性同一性障害の原因(一つの仮説)となると言われています。

 

<副腎髄質ホルモン>

アドレナリン、ノルアドレナリン <交感神経支配>

心臓収縮力の増加、心拍数の増加、血圧の上昇、肝臓グリコーゲンの分解(血糖値の上昇)、消化管活動の抑制、消化液の分泌の抑制、

精神面では興奮、やる気向上、怒り、イライラ、不安、悲しみに関与しています。

興奮状態が長く続くとノルアドレナリンのバランスが崩れて、精神的に不安定になり、怒りっぽくなったり、落ち込みが続いたりします。

 

すい臓

インシュリン <副交感神経支配>

血液中のグルコースをグリコーゲンに変えて細胞に取り込みます。その結果血糖値を下げます。糖質を脂質に変えてまた脂肪の分解を抑制します。

自律神経を乱している人が甘い物を食べ過ぎると、このインシュリンが過剰に働き血糖値を急激に下げます。そのため低血糖状態に陥って体がだるくなったり、糖尿病の人だと低血糖発作を起こす危険性があります。

 

グルカゴン <交感神経支配>

肝臓グリコーゲンを分解しグルコースに変えます。血糖値を上げる働きをします。

 

卵巣

卵胞ホルモン(エストロゲン)

女性の生殖器の発育を促し、女性の体型を女性らしく形成します。子宮粘膜の増殖を促し妊娠するため環境を整えます。

女性の精神機能をつかさどり、脳の働きや感情のバランスを整えます。

40代以降よりこのホルモンの分泌が減り、イライラ、うつ、物忘れ、動悸などの更年期障害の症状が出ると言われています。

 

黄体ホルモン(プロゲステロン)

排卵直後から卵巣で生成される女性ホルモンです。子宮粘膜の分泌腺を活性化させ、子宮内膜を厚くして妊娠を助けます。子宮筋の運動を抑制します。基礎体温を上昇させ妊娠状態を維持します。また出産の準備として乳腺を発達させます。

 

 

精巣

テストステロン(アンドロゲン)

男性の生殖器の発達を促進し、また男性らしい体型を形成する働きがあります。

性欲の亢進、精子の生成、内臓脂肪の減少、やる気・集中力のアップと言った役割もあります。

また、たんぱく質の合成を促し、筋肉を肥大させますので、いわゆるドーピング剤としても知られています。

 

卵胞ホルモン

精巣からも微量に卵胞ホルモンが分泌されると言われています。精子の発育に関与している。

 

 

自律神経を整えてホルモンバランスを良くするには、骨盤と背骨、そして頭蓋骨の整体を

 

交感神経は背骨全体から神経の枝が伸びており、副交感神経は首と骨盤あたりから神経の枝が出ています。

長年の生活習慣で体が歪んだ姿勢でいると、知らず知らずの間に自律神経の通り道を邪魔して働きを低下させている可能性があります。

また過剰な糖質の摂取や質の悪い油脂の摂取、カフェインへの依存が強い人は、体の内側から自律神経のバランスを崩している可能性が高いです。

また精神的なストレスをによって、ホルモンバランスが崩れて不安やイライラから、姿勢が悪くなり甘い物やカフェイン、酒や煙草に依存してしまう人もいるでしょう。

 

オステオパシーの施術は体、心、精神の三位一体が基本と言われているように、

当院の施術方針も身体、食事、ストレスケアから構成された三位一体の基本方針で行っています。

 

骨盤や頭蓋骨の調整で徹底的に身体的問題を解決し、その状態が維持できるように内臓機能を高める食事アドバイス、

そして精神的ストレスに対して、いつでもどこでも低減、解消できるセルフケアを提案させていただきます。

 

「自律神経が乱れているなぁ」と少しでも感じる人は、是非ご相談ください。