ストア哲学と自律神経

ストア哲学は、自律神経系に良い影響があると私は考えています。

「根拠のないトンデモ論法言ってるぞ」

「そんなの人によって変わるだろ」

という声が聞こえてきそうですが、

まぁ、トンデモ論法かもしれないし、実際に人によるのは否定出来ません。

でも哲学や心理学を智の巨人から学ぶことは、強い精神を養い、しなやかな心を作っていけるので、巡り巡って自律神経に良い影響を与えると、

割と本気で考えてます。

そして東洋の哲学でもなく他の快楽主義の哲学でもなく、あえてストア派(禁欲主義)をおすすめします。

※禁欲主義=苦行のような生き方とはまた違います

以下に詳しく説明します。

ストア派哲学は堅苦しい?

ストア派哲学と聞くと、

「なんだか難しそう」

「堅苦しい」

「この手の話は苦手」

と感じる人もいるかもしれません。

はい、

確かに、めちゃくちゃ堅苦しいです。

 

私はこの手の本を読むのは好きなのですが、哲学の巨匠の原作をいきなり読む事はお勧めしません。

当然、日本語で翻訳されていますが、それすら難しすぎて挫折する可能性が高いからです。

私が読んでいるのは解説本です。

解説本を読んで原作を読みたいと思った時だけ購入してます(中古本でけっこう高額なので)。

ただ、体調が悪い時、特に心が疲れ切っているときに、このストア派哲学の本を読む事はお勧めです。

読書には、脳のストレスの約7割を減らす効果があると言われていますが、

どうせ読むなら、読んだ後に胆力がついて、その後の人生に良い影響を与えてくれる本がオススメです。

 

ストア派哲学は心の健康におすすめな理由

特にストア派は古代ギリシャの哲学派であり、

内面的な平静や精神的な調和を重視しているところがポイントです。

内面的な平静さや精神的な調和と書かれるとよくわからなくなりますが、

平たく言えば、興奮したり落ち込んだりする心を制御することに重きを置いている哲学と言えるでしょう。

今の世の中は変化が激しく、先行き不透明と言うこともあり精神的に不安定になる人も多いです。

「今の世の中は…」と書きましたが、この哲学が存在していた2000年以上前も人は似たような悩みに苦しめられていたのかもしれません。

そんな中で、心の安定を乱しやすく、自律神経を制御できないことで病気になってしまう人も多いです。

自律神経系は、自分自身を制御し、ストレスに対処するために重要です。

 

ストア派哲学の教えとは?仏教と近い?

ストア派は「アパテイア」という概念を重視します。

アパテイア(ギリシャ語: apatheia)は、人間が情念や欲情に支配されないで超然として生きる状態を指します。

仏教で言うところの「捨ておく心」の概念に近いものになります。

仏教においては、欲望や執着を捨てることが重要です。

これにより、心の平穏を得ることができます。

アパテイアは、感情や欲望から解放され、内面的な静穏を実現するための道とされています。

ストア学派は、この境地を生活の理想とし、哲学的訓練の目標としました。

アパテイアは、感情の平静さや冷静さを追求する概念です。

このアパテイアが自律神経系のバランスを保つのに役立つと私は考えています。

具体的には嬉しいことが起きても、悲しいことが起きても、心の反応をせずに、辛いこと腹の立つことなどに対しては、他人を許し執着を手放すことになります。

このように感情を適切にコントロールする習慣を身に付ければ、ストレスを軽減することができます。

まさに仏教そのまんまと言いたくなりますが、実は私もその違いがよくわかっていません。

ただ、ストア派では有名な哲学者が何人もいて、

それぞれが違った角度で人生について説いているのでその分気づきが多いと思います。

ストア派哲学を実践するには?

ストア派哲学を生活の中で実践するには以下の3つのポイントを心がけることをお勧めします。

①自分にとって不都合な現実も受け入れる

人生には悪いことが避けられない瞬間があります。

日ごろからすべての出来事を良い悪いの判断をつけずに、受け入れる習慣を身に付けることで、

現実に悪いことが起こったときの衝撃を軽減できます。

また欲望に対して自制心を持つことも大切です。

欲望は感情を揺さぶり、不幸を生み出すことがあります。

 

②自分でコントロール出来ないものに固執しない

人間の悩みの多くは、人間関係だと言われています。
(もちろんお金や健康面で悩んでいる人もいます)

そして、長く悩む人とそれほど引きずらない人の違いは、

長く悩む人は自分の力ではコントロールできないことにこだわり続ける傾向にあります。

自分の力ではコントロールできないような悩みとは何でしょう?

代表的なのが人間関係です。

身近な家族や友達、赤の他人を含めて、自分以外の人間の心はコントロールできません。

例えば、
このブログを読んでくれてるあなたが誰かを怒らせたとして、

自分の行動がまずかったと思って、その人に謝りに行ったとします。

それで、その人があなたを許してくれなかったとしたらどうでしょう?

ひどく落ち込んで、さらに許してもらうために悩み続けますよね…。

ストア派哲学では、そうは考えません。

あなたが原因で、その誰かが怒ってしまったあなたにできる事は、

「何もしない」

「謝りに行く」

この2択です。

そして、謝りに行く行動を起こしたわけです。

その時点で自分でコントロールできる部分の行動は果たしたわけです。

その後、相手があなたを許すかどうかは、相手の問題です。

残念ながら、あなたにはコントロールしようがありません。

極端な話、その相手が、まだあなたに対して怒りたいのであれば、怒らせておくしかないのです。

許して欲しいからと無理に媚びたり、相手に金品を与えたりするのはお勧めしません。

それで相手が許してくれるという保証は無いし、その後も一方的に我慢を強いられる関係になりかねません。

何より、あなたが犠牲になっていてその時点であなたの人生を生きているとは言えません。

それはとても不幸なことです。

これはその相手というのが大切な家族だったり、大切な友人だったり、会社の上司だったりしても同じです。
もちろん家族はよほどのことがない限り、絶交できない相手ですが、その視点を持つことが大切です。

自分以外の人間はコントロールできないという意味では、どれだけ身近な人間だとしても他人になります。

自分がコントロールできる範囲に焦点を当てましょう。

本当に大切な人であれば、相手の態度に期待しなくても、相手の幸せを願う行動ができるはずです。

 

③自分でコントロール出来ることに集中する

そして他者からの評価に固執せず、自分の内的目標を意識します。

ここは自分の力でコントロールできる範囲にあたります。

わかりやすく言えば、

「自分がどうありたいか」

を重視することです。

ここからが大切です。

内的目標は、自分の意思で達成できるものです。

例えば、何か取り組む際に自分なりにベストを尽くすことや、

自己成長のために本を読んだり、健康習慣を続けることを重視すること。

他者からの承認欲を満たすような儚い幸福でなく、

自分で自分を認め自尊心を育てていく絶対的な幸福を重視しています。

もし大切な人を怒らせてしまったら、落ち込む心もあるかもしれませんが、目の前のゴミを拾ったり、

身近な人に親切をしたり、可愛いネコに餌をあげたりして周りの役に立つこともできます。

小さな幸福を満たしていきましょう。

と、いうことです。

これらのストア派哲学的な実践は、瞑想や自己観察、感情の調整などの要素も含みます。

自律神経系のバランスを整えるために、ストア派の教えを取り入れることは、心の土台を作る意味で大いに有効だと考えています。

ストア派哲学は、内面的な平静と自己管理を促進し、自律神経系に良い影響を与えると期待出来ます。

 

ストア派の代表的な哲学者とそれぞれの考え

ここでストア派のいくつかの有名な哲学者と彼らの考え方を紹介します。

 

・ゼノン (Zeno of Citium)

ストア派の創始者であり、彼は自己に降りかかる運命や苦難をどのように克服するかを探求しました。

知者は道徳的・知的に完全であり、破壊的な衝動に苛まれないと説いていました。

 

・ルキウス・アンナエウス・セネカ (Seneca)

セネカはローマ帝国時代のストア派哲学者であり、エピクテトスと並ぶ有名な後期ストア派の哲学者です。

彼は「徳は幸福により十全となる」と信じ、知者は不幸に動じないと主張しました。

セネカの悲劇的な人生は人としてのあり方を考えさせられます。

 

 

・エピクテトス (Epictetus)

ギリシャ出身のストア派哲学者で、奴隷出身でありながら高い教養を持っていました。

彼は「ストア的静寂」というフレーズで知られ、病気や危機、死、追放、恥辱にも幸福であると説いています。

エピクテトスは奴隷出身で身体が不自由な身でありながらも、自由な精神でいられる考え方を説いています。

後にあるローマ皇帝にも大きな影響を与えた人物です。

 

 

・マルクス・アウレリウス(Marcus Aurelius Antoninus)

マルクス・アウレリウスは後期ストア派の哲人であり、ローマ皇帝としても知られています。彼は自省録という著作で、哲学的な思索を記録しています。

実はアウレリウスはエピクテトスの著書の教えを継承し「自省録」を書き上げました。

つまり、同じ時代を生きていないものの著書を通じてエピクテトスとアウレリウスは師弟関係にあったということです。

奴隷出身エピクテトスの弟子がローマ皇帝マルクス・アウレリウスという、常識的に考えたらあり得ない関係になってます。

ストア派哲学に身分の差は関係ない象徴のような2人の関係ですね。

アウレリウスの著作である「自省録」は、2世紀後半のローマ皇帝でありながら、ストア派の哲学者でもあったアウレリウスの内省と思索を記したものです。

この書は、彼の心の葛藤や人生の意味について深く探求したものであり、哲学的な洞察と個人的な洞察が交差する貴重な文献となっています。

「自省録」は、哲学的な洞察、人間の存在、倫理、自己啓発に興味を持つ読者にとって、興味深い一冊です。

これらの哲学者は、ストア派の思想を通じて内面的な平静と倫理的幸福を追求しました。

 

 

ストア派哲学が、自律神経や精神医学に直接的にポジティブな影響を与えるという研究報告は限られているものの、

これらが心の健康に良い影響を与えると主張している専門家は近代においても複数存在します。

哲学や心理学はなかなか科学とみなされない部分があり、エビデンスを示す事は難しい分野です。

人の心とか精神面を扱う学問なので、それを求めること自体がナンセンスかもしれません。

いつの時代も、人が拠り所として求める対象は科学的根拠のないものばかりです。

でも、その根拠のないものに人の心を奮い立たせる無視できない力が存在しているのは確かです。

 

【安城の整体ひだまりケアより、読者様へ】

このコラムは安城の整体、「自律神経専門整体ひだまりケア」のコラムです。

安城市や刈谷市、知立市、豊田市など西三河エリアで自律神経の不調に特化した出張整体を提供しています。

国家資格者が20年以上の施術経験を持ち、頭痛、不眠、ストレスからくる不調に対応しており、ご自宅で本格的な整体を受けられます。

愛知県の安城、刈谷、豊田など西三河のみを対象にしておりますが、他県など遠方からの施術希望もあります。

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