岡本太郎の『自分の中に毒を持て』がメンタルヘルスに良い理由

メンタルヘルスや自律神経の改善に、本を読む事はお勧めです。

以前のコラムでストア哲学のコラムが自律神経にオススメと書きましたが、

人によっては合わない人もいると思います。

同じ人でも、その時の人生の局面によってストア哲学が受け入れられたり、受け入れられなかったりという状況もあります。

今回のコラムでは、岡本太郎さんの「自分の中に毒を持て」を紹介します。

自分自身に価値が持てなかったり、他人と比べて悩んだり、何か挑戦したいことがあるのに、一歩踏み出せない人などにオススメの書籍です。

きっと、この記事を読み終わる頃には、心が1000分の1だけ軽くなっていることでしょう。

岡本太郎「自分の中に毒を持て」とは?

1. 自己認識の深化

岡本太郎は、私たちが自分自身の中に潜む「毒」と向き合い、それを受け入れることの重要性を説いています。

そのことが「本当に生きるということ」に繋がるのです。

ここでの「毒」とは、私たちの弱点、欠点、矛盾、不安、怒り、未熟さ、抑圧された感情など、

いわゆる自分にとってイタイ部分を指します。

これらを隠すのではなく、受け入れるべきだと主張しています。

この考え方は、精神的な成長と自己啓発の観点からも意味があります。

めぐり巡って自律神経の安定にも繋がると考えています。

何より自己認識を深め、成熟し、より強い個人として成長することができるのです

 

2. 無条件で生きる

岡本太郎さんは、「無条件で生きろ」と言っています。

この言葉はこの著書で何度も登場します。

無条件で生きろとはつまり、自分のやりたいことに条件を付けず、すぐに行動に移すことが大切だということです。

 

散歩をしてみたいけど、もう少し元気になってからやろうとか、
新しい勉強をしたいけどもう少し調べてからにしようとか、
独立開業したいけど準備を完璧にしてからやろうとか、

そんな条件をつけずに、思った時にすぐ行動に移そうということです。

 

そして、「3日坊主でかまわない」とも言っています。

これは、「継続できないと意味がない」という常識にとらわれず、その瞬間に全力を尽くすことが大切だというメッセージです。

多くの人が継続の重要性を信じていますが、岡本太郎さんに言わせれば美的感覚や情熱を感じることは、続くかどうかは考えずにとにかくやってみることが大切。

その瞬間的な行動やちょっとしたきっかけから、大きな人生の価値が生まれることがあると考えています。

継続できないことを責めるのではなく、その瞬間に全力を尽くすことで、新たな発見や自分の中の情熱を見つけることができるかもしれません。

 

3. 自信を喪失した人へ

自分と他人を比べて「自信を喪失」してしまっている人に対して、岡本太郎さんははっきりと

「自信なんてのはどうでもいい」と言っています。

そんなこと言われたら元も子もないですよね…。

でも岡本太郎さんは、自信なんてものに囚われず、ありのままの自分を貫くことが大切だと語っています。

岡本太郎さんは「自信を持ちたいだなんて、卑しい考えを持ったことがない」と言い切ってます。

では、岡本太郎さんは自信がない人に向けてどのようなメッセージを送っているのでしょうか?

 

「本当に生きるということ。それはいつも自分は未熟なんだとという前提で、かつそれを平気だと思って生きることだ。

それを忘れちゃいけない。熟すというのは技能や熟練とは関係がない。これは私の信念だ。

芸術はもちろんスポーツも歌も会話も全て下手なら、むしろ下手こそいいじゃないか。

そう思って、平気でやればいい。

もっともっと下手にやろうと決心すれば、かえって人生が面白くなるかもしれない。

逆に歌やスポーツや会話のうまい奴に限って、世間の型や基準のもとに決められ、それに馴らされてる人間だ。

だから、うまい奴ほど、どのくらいの位置に自分がいるのか、まず基準の方を先に考えてしまう。

しかし、そんな基準なんて無視だ。

下手は下手なりに、自分は下手なんだと自覚をし、決意をすればもっと自由な歌い方もできるし、スポーツにしてもなりふり構わず自由に動くことができるだろう。

下手ならなお結構。

これは私が昔から言っていることだ。

例えばうまいと評判の絵や歌にしてもちっとも感動しない。

だからといって下手であることをじめじめ認めてはダメだ。

そうじゃなくて自由に明るくその人なりのユニークな下手さを押し出すんだ。

そうすれば逆にその下手さが生きる。あなたの魅力に変わるんだよ。」

出典:『自分の中に毒を持て』岡本太郎 より抜粋 

 

とても激しいメッセージです。

でも、自信がないということで、何も手がつけられない、動けないという人にとっては

「できなくて当たり前」

と開き直る事は大切だと個人的には思います。

下手でもいい、むしろもっと下手にやってみようと思うことで、案外道が切り開けたりします。

実際に新しいことに取り組む際に緊張しながら、ガチガチで物事に取り組むより、

「下手でも良い」

「はい、下手ですがなにか?」

ぐらいの気持ちになってリラックスして取り組んだ方が、良い結果につながる方が多いです。

(※ちなみに当整体で新しい施術をお客様に提供する際は、しっかりとトレーニングをしており、下手でもいいとは思っていません。ただトレーニングのスタートの部分は、この気持ちが役に立ったりします)

大切なのは自分が信じることや正しいと思うことに、他人に振り回されずに突き進むこと、と岡本太郎さんはメッセージを送っています。

 

4.「孤独になりたくない」そんな自分を敵だと思って戦う

人はは孤独を恐れます。

特に災害の多い島国である日本では、原始時代から集団行動で協力して生きていかないと生命に関わります。

そんな背景があるからこそ、同調圧力をかけてくる人、同調圧力に流されてしまう人の人間関係の構図ができているように思います。

だからこそ、和を乱して自分のやりたいことを優先させることで「悪」のレッテルを貼られてしまいがちです。

スマホ1つで買い物できたり、個人の判断で自由に転職できる時代、つまり個人の力である程度生活できる時代になっても、この風潮はやはり残っています。

岡本太郎さんは、そんなふうに孤独を恐れることについてどのように語っているのでしょうか?

 

「孤独だと言う人はもっと激しく自分を突き放してみたらどうだろう。

人に好かれようなどと思わず人から孤立しても良いと腹を決めて自分を貫いていけば、本当の意味でみんなに喜ばれる人間になれる。

自分にとっていちばんの敵は自分自身なんだ。

その敵であり、障害をよく見つめそして戦うんだ。

つまり自分を大事にしすぎているから色々と思い悩む、そんなに大事にしないで、

よしそれなら今度から好かれなくて良いと決心をして自分を投げ出してしまうんだ。

ダメになって結構そう思ってやればいい。

最悪の敵は自分自身なんだ。

自分をぶっ壊してやるというつもりで、それくらいの激しさで挑むんだ。

そうでなければ、今までの自分を破壊して新しい自分になることはできないんだよ。

人は自分を客観的に見ているように思っていても、実は誰もが自分のことが可愛くて、大事にしすぎている。

そういう自分をもう一度外から眺めてみるんだ。

なんだお前はこの世の中で豆粒ほどのちっぽけな存在だ。

それが自惚れたり、自分を見下したりして嫌になったりしている。

なんてくだらないんだ。

そうやって突っ放して今の状態をありありと見てほしい。

自分が豆粒ならそれでいい小さな存在こそが世界を覆うんだ。」

出典:『自分の中に毒を持て』岡本太郎 より抜粋 

周りの目を気にして疲れていたり、承認要求の虜になっている人たちの悩みを吹き飛ばしてくれるような言葉ですね…。

何より岡本太郎は「絶対感」によって生きることを提案しています。

つまり、相対的な価値観ではなく、

自分自身が生身で運命と対決して歓喜すること、

自分の生命感が感じられるようなこと。

つまり自分の人生において、本当に大切なことだけを追求することが重要だと考えています。

他人の評価や期待に縛られず、自分の内なる声に耳を傾け、自分の人生を生きること。

 

岡本太郎さんほどではないにしても、

この他人に流されない考え方は自律神経やメンタルヘルスにポジティブな影響を与えます。

 

5.アートとしてのメッセージ

「自分の中に毒を持て」は、岡本太郎さんのアート作品としても非常に有名です。

彼の言葉は、単なる成功者の名言ではなく、芸術的な表現としても魅力的です。

このメッセージは、私たちが日常的に直面する問題や感情に対して、新たな視点を提供してくれます。

自己啓発の一環として、この言葉を心に留め、自分の中にある「毒」を受け入れ、成長し、自信を持ち、無条件で生きることを勧めています。

本のタイトルである「自分の中に毒を持て」は、私たちに多くの示唆を与えてくれる言葉です。

 

最後に:「太陽の塔」に込められた本当のメッセージ

 

岡本太郎と聞くと、

やはり「太陽の塔」をイメージする人が多いと思います。

1975年の大阪万博で、万博のシンボルとして有名なのが、岡本太郎の「太陽の塔」です。

誰でも一度は見たことのあると思いますが、ちょっと奇抜でわかりにくいアートです。

だから、当時はこのアートに対する見解も賛否両論でバッシングも多かったようです。

建設の際も、屋根をぶち抜いてまで建設することに、万博関係者とのあいだで対立があったと言われています。

この作品のテーマは万博のテーマに合わせて、

「人類の進歩と調和」とされており、そのシンボルとなるアートという位置付けです。

地下展示では「生命の神秘」、地上展示では「現代のエネルギー」、空中展示では「進歩の世界」が表現されています。

 

ただ、この「人類の進歩と調和」は岡本太郎さんの代表的な著書「自分の中に毒を持て」とは明らかに方向性が違います。

 

諸説ありますが、この太陽の塔には裏のメッセージがあると言われており、そのヒントが「太陽の塔」が何をモチーフにされていたか?です。

実は「太陽の塔」は縄文土器をイメージして制作されました。

 

その別名である「縄文の怪物」は、この作品が縄文時代の精神や自然との調和を表していることも解釈できます。

世界的な進歩の祭典のど真ん中に、巨大な縄文土器を建ててしまったのです。

周りの目を気にしていたら、こんな事は絶対にできません。
後で絶対に偉い人に怒られます。

しかし、絶対感によって生きる岡本太郎さんはそんな事は微塵も考えなかったでしょう。

岡本太郎さんはは、人類の進歩と調和を象徴するだけでなく、進歩に伴う便益が過度になりすぎることに警鐘を鳴らしていると言えます。

現代社会では、便利さや効率性が重視される一方で、本当に生きることや真の他者とのつながり、これを大切にすることを忘れがちです。

「太陽の塔」は、私たちに縄文時代の質朴さや自然との共生を思い出させ、他人の評価にとらわれず、自分らしく生きることの大切さを訴えているのかもしれません。

今回のコラムは、仏教思想やストア哲学の考え方とは明らかに違います。
ひょっとしたら真逆と感じる人もいるかもしれません。

しかし、それでも共通点はいくつかあり、決して真逆ではありません。

やはり積極的に人生を楽しむ考えは大切です。

メンタルヘルスを向上させるために、自分自身と向き合い、自己認識を深め、アートとしての人生を楽しんでいくことも大切なのかもしれません。

 

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【安城の整体ひだまりケアより、読書様へ】

このコラムは安城の整体、「自律神経専門整体ひだまりケア」のコラムです。

安城市や刈谷市、知立市、豊田市など西三河エリアで自律神経の不調に特化した出張整体を提供しています。

国家資格者が20年以上の施術経験を持ち、頭痛、不眠、ストレスからくる不調に対応しており、ご自宅で本格的な整体を受けられます。

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