不眠症は自律神経の乱れ
質の良い睡眠は人生を豊かにする重要な要素です。睡眠は私たちの健康と幸福に直接影響を与えます。以下に、睡眠の質を高めることが人生にどのような影響を及ぼすかについて詳しく説明します。
特に心の健康への影響として、以下があげられます。
睡眠は心の安定にも寄与します。不眠は抑うつや不安障害のリスクを高めることがあります。
また、良い睡眠をとることで、感情のコントロールが改善され、ストレス耐性が向上します。
それには自律神経が大きく関連しています。
不眠を改善させるには自律神経がカギ
「夜眠れない」「眠っても疲れがとれない」「疲れているのに眠れない」
このような人が最近増えています。
私の施術させてもらっている患者さんでも、多くの人が眠りに関する悩みを抱えています。
テレビのCMでも、眠りを良くする薬のものも一般化しましたし、薬局に行っても睡眠改善薬と言われる薬は種類も沢山増えてきました。
不眠症は現代病と言ってい良いでしょう。
不眠症に限ら頭痛、耳鳴り、だるさなどの不定愁訴の方は多くの場合、自律神経の働きが低下しています。
不眠は代表的な自律神経不調の症状ですね。
自律神経と睡眠の関連
人には自律神経という神経システムがあり、交感神経と副交感神経の2つ分けられています。
交感神経は活動的な神経で、人が興奮したりやる気を出したり、怒ったり、悲しんだりしているときに働きます。
これに対して副交感神経は休む神経で、人が落ち着いたり、リラックスしたり、癒されたりするときに働く神経です。
交感神経は興奮、副交感神経は休むと覚えてください。
一般的に交感神経は昼間の労働や勉学する時間に働き、副交感神経は夕方から夜の人が休む時間に働きます。
しかし不眠症の人は、夜になっても副交感神経が働かずに体が興奮し続けています。昼間に働いた交感神経が夜になっても働き続けるのです。
ちなみに不眠症には3種類あります。この3つを知ることにより、「自分は不眠じゃない」と思っている方も「不眠症かも」と思うかもしれません。
睡眠障害の種類
不眠症の種類① 入眠困難
これは最も自分が不眠症であると自覚しやすい症状ですね。
夜床に就いてもなかなか眠れない、10時に床に就いて朝方3時や4時になるまで眠れないという人は実は意外と多いです。
普段の寝付くまでの時間より2時間以上眠れなかった場合は、もうそれは入眠障害と定義されます。
不眠症の種類② 中途覚醒
これは寝付くことが出来ても、途中で目が覚めてしまう症状です。起きてもまたすぐに眠れる人や、トイレのために起きる程度の人はこれに該当しません。
途中で起きてまた寝るのに時間がかかる人や、再び寝てもまた何度も起きてしまう人が中途覚醒です。
年のせいだと見過ごしがちな人が多いですが、寝ても疲れがとれない重大な原因です。放っておくと体力が消耗して、病気になりやすくなります。
夜中に2回以上目が覚めてしまう人は中途覚醒と定義されます。
不眠症の種類③ 早朝覚醒
特別な理由が無く早く起きてしまう症状です。
朝7時に起きればいいのに4時に目が覚めてしまう。朝刊を配るバイクの音で目が覚めてしまうという人も多くいらっしゃいます。
早く目覚めて疲れが残っている人は、自分が不眠症と自覚されやすいでしょう。しかし朝早く目覚めて自分が元気と感じている人もいます。
元気に感じるのは交感神経が優位に働いているせいで、決して健康であるとは限りません。実はこのような人も立派な不眠症です。
普段より2時間早く目が覚める人は、自分が早朝覚醒という不眠症であるということを自覚してください。
不眠の原因
楽しい夜更かしも体にとってストレス
交感神経が過剰に働くことにより不眠症になるのですが、その原因はストレスです。
ストレスというのは人間関係などの精神的ストレスを思い浮かべる人が多いのですが、それだけではありません。
人間関係に悩みが無くても、ストレスが知らず知らずのうちに過剰になることも実は多くあります。
例えば、夜勤や夜更かしです。それを楽しくやっているかどうかにかかわらず、夜起きて活動するという行為はそれだけで体にストレスをかけます。また夜更かしは自律神経を乱す代表的な行為です。
興奮状態が続くのも自律神経を乱す原因
もう一つの原因として、継続的な興奮状態というのも自律神経を乱し、不眠症を招く原因です。
例えば、重要な仕事を任されている。学会発表を控えている。昇進試験や入学試験を控えている。告白の返事を待っている。
これらは短期的に神経を興奮させる要因ですが、多くの人はこれらが原因で眠れない夜を過ごしたことがあるのではないでしょうか。
このような経験自体が単発で生じるのは、問題ないのですが、これらが重なったりして長期化すると重い慢性的な不眠症になります。
また長期的な興奮の原因として、家族が重い病気になったり、震災などの災害に合うことがあります。
これらは継続的に不安を感じる要因で、神経を長期間過剰に興奮させることにつながります。
このような「終わりのないストレス」を感じている人は、自律神経を患いやすく不眠症になりやすいと言えるでしょう。
放っておくと大きな病気に。適切に対処しましょう。
不眠症は適切に対処することにより、改善されます。
例えば、食事の改善や、血行を良くしたり脳の環境を良くする整体を行うことで自律神経の働きを正常化させ自然な眠りを得ることが出来るようになります。
また副交感神経が働きにくい状態を放っておくと、様々な病気になりやすくなったり、また病気が治りにくい体になります。
それは、免疫力や自然治癒力は副交感神経が働かないと機能しないからです。
健康な心と体を手にするには、交感神経と副交感神経のバランスが大切です。
当院の不眠を抱える患者さんにも、まずは副交感神経を優位にするような施術や生活習慣の提案をさせてもらっています。