心と体を元気にする”油”の栄養学
食用油の選択は健康的で豊かな人生にとって重要です。食用油は私たちの健康に直接影響を与えるため、質の良い油を選ぶことが大切です。以下に、食用油の選び方とおすすめの種類を紹介します。
というのも、、
実は心の健康と食用油が大きく関連しています。
自律神経失調症やうつ病、不安障害の人はストレスを減らすため休養をとるという対策が一般的ですが、実は栄養について知ることも非常に大切です。
栄養の偏りや栄養の過不足は、脳にストレスを与えてうつ病を自律神経症状を悪化させます。
言ってみれば、あなたの抑うつや不眠症の原因は栄養失調が原因だったのかもしれません。
高カロリーの食べ物=高栄養とは限りません。高カロリーでも栄養素が偏っていれば低栄養です。正確には低品質の栄養です。
栄養の質が悪いと人は病気になります。
この記事では、特にうつ病や自律神経失調症患者さん向けの栄養の要点を簡潔に説明していきます。
オメガ3によるうつ病、自律神経失調症対策
オメガ3とは?
脂肪分は大きく分けて飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられます。
不飽和脂肪酸はその構造から大きく分けて、
オメガ3とオメガ6、そしてオメガ9に分けられます。
このうちオメガ3は、神経細胞膜の主成分であり、その膜を通して脳や体は神経細胞および他の細胞とのコミュニケーションをとっている。
つまり、オメガ3は神経細胞の流れをスムーズにするものであり、不足すると神経細胞(脳細胞や脊髄など)の働きが悪くなるのです。
その結果、精神的な影響として快楽や安心感などの感覚が減少して元気が無くなったり、さらに進行すると自律神経失調症、うつ病を発症してしまう可能性が高まります。
最近の研究では、オメガ3の摂取によってトラウマ(心的外傷)や恐怖記憶が減っていくという報告もあります。
また妊娠時にオメガ3が不足すると、マタニティーブルー(妊娠時うつ状態)になると言われています。
それは胎児の脳が成長するうえで、多くのオメガ3の脂肪酸を必要とするからです。
胎児は胎盤を通してオメガ3を優先的に吸収するので、母体に十分オメガ3を蓄えていないないと、妊婦さんはうつ状態になってしまうというわけです。
オメガ3の働き
・脳や脊髄などの神経細胞の機能を正常化する
・心拍のリズムの正常化
・動脈硬化の予防
・自律神経を整えて血圧を下げる
・病気から体を守る免疫システムの強化
・アレルギーや炎症を抑える
・血液の粘度を下げて血栓を予防する
それらのことが結果的に精神機能を高めてうつ病や自律神経失調症、パニックなどを改善させると言われています。
またオメガ3は善玉菌を増やすので、便秘を改善したり花粉症などのアレルギー症状にも効果的です。
オメガ3を含む食品
亜麻仁油、えごま油、青魚(サバ、イワシ、サンマ)、クルミなど。
※オメガ3は過熱により酸化するので、炒め物などに使ってはいけません。また魚は食物連鎖の低い物(アジ・イワシなど)を選んだ方が水銀などの悪影響を受けにくいでしょう。
オメガ9も良い ~過熱に強く酸化しにくい体に良い油~
オメガ9脂肪酸は、不飽脂肪酸の中でも酸化しにくい一価不飽和脂肪酸(オレイン酸)を多く含んでおり、過熱に強く悪玉コレステロールを減らして体調を整えます。
悪玉コレステロールが減ると血液をサラサラにして、生活習慣病を予防します。
オメガ3ほど精神機能の改善効果はありませんが、血液をサラサラに保つことは健康の基本なので積極的にとりたい油です。
オメガ9を含む食品
オリーブオイル、アーモンド、アボカド、キャノーラ油
摂らないほうがいい油(オメガ6、トランス脂肪酸)
オメガ6とは?
摂らないほうが良いというか、摂りすぎと良くない油、特に症状が出ているときは絶対避けた方がいい油です。
その一つはオメガ6という脂肪酸です。
オメガ6脂肪酸は体内で強力な炎症作用のある物質に変化し、体調を崩しやすくなります。
また交感神経を刺激しすぎて、自律神経のバランスを乱してしまいます。
その結果、アトピー性皮膚炎や関節炎を誘発・悪化させ、呼吸器に炎症があると喘息を引き起こしてしまうと言われています。
また血小板の凝集促進作用もあり、血栓の形成などの血管障害も引き起こす恐れがあると言われています。
また平滑筋の持続収縮の作用もあるので、胃腸の過剰収縮や気管や気管支の疾患に関与していると言われています。
※ただオメガ6は性ホルモンの原料になったりもするので、全くとらないでいいというわけではありません。
オメガ6を含む食品
豚肉、牛肉(特に肉骨粉を食べて育った家畜)、サラダ油、ごま油、べにばな油
危険な油、トランス脂肪酸
また、さらにとらないほうが良い油が、トランス脂肪酸という油です。
トランス脂肪酸は酸化を防止するために、不飽和脂肪酸に水素を加えて飽和脂肪酸に変換して、常温で固体にしたものです。
その構造から、通称”プラスチックオイル”と言われています。
トランス脂肪酸は細胞膜に蓄積し、神経細胞にダイレクトに悪影響を及ぼします。
その結果、うつ病や自律神経失調症、心臓病、脳梗塞、がん、不妊症など引き起こすと言われており、もはや食べ物とは言えない油です。
なぜ世の中に出回っているのか不思議に思うくらいです。
トランス脂肪酸を含む食品
マーガリン、ショートニング、コーヒーフレッシュなどなど、
市販の洋菓子やパン粉、菓子パンにも多く含まれています。
おわりに ~知識をつけてストレスを減らす~
以上、体にいい油、悪い油について紹介させていただきました。
このような栄養学をはじめとする健康関連の知識を持つだけで、実は精神的ストレスがいくらか緩和されます。
というのは、原因が全く分からず体に不調が起きるのと、体に不調が起きた時に「おそらく〇〇が原因だな」と思えることは、不調に対する恐怖感が全然違ってきます。
不調に気づいたらまずは、体に悪い食品を口にしない事、そして健康に良い食品を適度にとるように心がけましょう。