頭痛に対する頭蓋オステオパシー
慢性的な頭痛を解決するためには、自律神経のバランスを整えることが重要です。
自律神経は、身体の状態を一定に保ち、生命を維持する働きを担っています。
そのバランスが崩れると「自律神経失調症」となり、めまいや耳鳴り、そして頭痛などの症状が現れます。
自律神経失調症による頭痛の原因として、交感神経と副交感神経のバランスの乱れが挙げられます。
ストレスや長時間のデスクワーク、スマートフォンの使用などで交感神経の働きが高まると、筋肉の緊張や血管の収縮が起こり、血行不良を招くことがあります。
一方で気温や気圧の変化、リラックス時には副交感神経の働きが高まり、拡張した血管が周囲の神経を刺激して「偏頭痛」を引き起こします。
自律神経のバランスを整えるために、セルフケアの試みや頭蓋オステオパシーなどの施術の検討をしてみてください。
この記事では頭痛のメカニズムと頭蓋の施術に関してわかりやすく解説していきます。
頭痛は現代病
頭痛は現代病として多くの人が悩まされています。
当院でも他の疾患を抱えながら、同時に頭痛に悩まされている方は少なくありません。
何年も薬を手放せない人、頭痛があるときは朝布団から出れずに、出勤(登校)が困難になる人も多くおられます。
この記事を読んでいる人の中にも、そのような経験があるのではないでしょうか?
「他の人と変わらない生活をしているのに、なぜ自分だけが何年も頭痛に悩まされているのか?」
そんなふうに考えていませんか?
では頭痛の原因とは何なのでしょう?
慢性頭痛の原因とは?
まずここでは、
①慢性緊張性頭痛 ②片頭痛
に分けて考えます。
①慢性の緊張性頭痛
この頭痛は、頭全体に圧迫感のような痛みを伴い、軽度から中等度の痛みに悩まされます。
仕事の忙しさというよりは精神的なストレスによって悪化することが多いと言われています。
原因は主に、精神的なストレス、風邪など発熱を伴う感染症、抑うつ状態、睡眠不足、筋肉の緊張(コリ)などが挙げられます。
②片頭痛
次に片頭痛ですが、片頭痛は左右どちらか一方に生じることが多いです。
また痛みの出かたも発作的であり、毎日または一定の周期に従って発生することがあります。
吐き気や、手足の冷え、光や音に過敏になるなど自律神経症状が同時に見られることもあります。
依然として片頭痛の正確な原因は解明されていません。
関連が証明されている要因としては、
遺伝的な要因、また外的要素(ホルモンバランスの変化、ストレス、気象の変化)などによって、脳や髄膜の血管が一時的に狭窄する(締め付けられる)ことで痛みが生じます。
また脳の神経細胞の活動の乱れや、神経性の炎症が起こることによってズキズキとする痛みが生じるとも言われています。
頭蓋オステオパシーと慢性頭痛
頭蓋オステオパシーは、まさに頭痛は適応症状であり、
慢性的に悩んでおられる方ほど効果を感じられています。
ただ急性の激しい頭痛や片頭痛に関しては、
重要な疾患を抱えている可能性が高いため、
第一選択肢として医療機関を受診することが大切です。
そのうえで、
病院に通って何年も薬を飲んでいるのに症状が一向に良くならない方は、
頭蓋オステオパシーをぜひ併用することをお勧めします。
根本解決の一助になるかもしれません。
実際の施術では何をやるのか?
頭蓋オステオパシーでは、頭痛の人に対しては、まず全身の評価をします。
特に首周りの筋肉のコリが強い人は多いため、
「その頭痛の原因となる首の硬さは、さらにどこが原因なのか?」
という感じでとことん追求していきます。
多くは、骨盤の歪みや股関節の硬さが原因となっていることもあり、
まずはそれらの歪みを解消してから頭部の施術に当たります。
一つの例として、後頭骨と第1頸椎の間をつなぐ筋肉として小後頭直筋という小さな筋肉があります(画像参照)。
この筋肉が硬くなると、頭蓋骨内と背骨全体に張り巡らされている硬膜が硬くなったり、
迷走神経(自律神経に大きく関連)や舌下神経の不全を起こし、慢性的な緊張性頭痛につながることがあります。
全身の問題を解決した上で、
この一部分の施術を行うだけで、
「驚くほど頭が軽くなった」
と感じられる方がおられます。
またそれ以外の原因として、
頭蓋骨の動きの減少やリンパの流れの滞りなども想定されるので、
それらの要因に対してもアプローチして、苦痛の解消を目指します。
症状の変化を感じられるのは個人差はありますが、
中には1回の施術で感じられる方も半分ほどおられます。