反芻思考と自律神経について

皆さんは、ネガティブな思考がぐるぐると頭から離れない経験はありませんか?

「メールであんなこと送っちゃったけど、まずかったな」

「仕事であんなきつい言葉を使っちゃった、私は最悪だ」

「あの人にあんなこと言われてショック。自分はだめな人間だ」

こんなネガティブな思考が頭から離れず、ずっとぐるぐると考え続けて脳が疲れてしまう。

簡単に言えば「一人反省会」を常にやっている感じです。

このような思考のことを反芻(はんすう)思考といいます。

この記事を読むことで、反芻思考で悩んでる人は反芻思考の正体を知ることで少しだけ心が軽くなるはずです。

 

反芻思考になりやすい人

「反芻」とはいちど飲み込んだ食べ物を、再び構内に戻しよく噛むことです。

牛などの動物によく見られる行為です。

これが転じて繰り返しよく味わう思考のことを指します。

反芻思考は、うつ病や神経症などの精神的な不調につながりやすいと言われており、当然、生活の質を低下させます。

反芻思考になりやすい性格として、

・真面目な性格であること

・完璧主義であること

・責任感が強く誠実な人

など一般的にはそのように挙げられています(自分で言うのもなんですが、私も割と当てはまってます)。

また、アスペルガー症候群や注意欠陥多動症(ADHD)などの発達に関連する問題がある人は、この傾向にあると言われていますが、

多くの健常者でも、心身が疲れていたり、自律神経が乱れていたりすると、

この反芻思考になりやすいのです。

一般に反芻思考は脳を疲労させると言われていますが、

その反芻思考の原因も脳の疲労と言えるからです。

反芻思考の原因→脳の疲労

マルチタスクで脳は疲れる

反芻思考の原因は、上でも述べたように完璧主義や責任感が強く誠実であることなどが挙げられますが、

ここでは、あまり性格的なことについては言及しません。

性格を変えるということが、そもそも無理に近い場合があるし、責任感が強かったり誠実である事はむしろ良いことだと私は考えています。

そこに手をつける前に、反芻思考に陥る人の共通項としてマルチタスクという問題があります。

以前の私を含め、反芻思考で苦しむ人はあまり自覚していませんが、

普段から”マルチタスク”をやって脳を疲労させがちです。

脳を疲れさせるマルチタスクとは、

複数の作業を同時に実施、もしくは短期間で切り替えながら同時進行で行う能力・手法のことです。

そもそも「マルチタスク」という言葉は、一つのコンピューターが同時に複数の情報処理を行うことを言います。

スマホであれば、カメラアプリやSNS、Safariや Googleなどのブラウザ、これら複数のアプリが同時に立ち上がっている状態です。

この状態ではスマホの電池の消耗が速くなり、情報処理速度が遅くなる事が想像できると思います。

この状態で検索しても、電波が悪くない場所であるにもかかわらず、ぐるぐると回る画面が多くなりますよね。

これが人間の脳でも同じようなことが起きていると想像してもらえばわかります。

日常生活でよく見られるマルチタスクの例として、、

・テレビを見ながらご飯を食べる

・面白い動画を見ながら宿題をやる

・人と話しながらスマホをいじる

実はこのマルチタスクは、脳にかなりのストレスを与えます。

 

 

脳の疲れで反芻思考になる

反芻思考は脳の機能不全で起きます。

ここで大切になるのが脳内にある、

・デフォルトモードネットワーク(DMN)

・扁桃体

という2つのキーワードです。

マルチタスクを可能にさせるのは、デフォルトモードネットワーク(DMN)と言われている脳内の連携であり、複数のことを同時にこなし、作業を効率化させると言うメリットもあります。

人間が何もしていない時でも脳は働いていると言われますが、それもDMNが常に働いているからです。

人はボーっとしているつもりでも、夕飯のことを考えたり、明日の仕事のことも自然と考えてしまうものです。

現代社会は、スマホやインターネットの普及、また企業の業務や社会構造の複雑化によりマルチタスクを過剰に行う機会が増えました。

そうなるとこのDMNが過剰に消耗する機会が増え、やがてDMNが暴走し始めます。

最近の脳科学の研究では、うつ病の人がDMNが過剰に働きすぎていることがわかっています。

DMNが過剰に働きすぎると、何もしていない時でも、クヨクヨと過去のことを後悔したり、

何も根拠がない将来の不安を、あたかも真実かのように思い込んでずっと考え込んだりしてしまいます。

まさにこれが反芻思考の状態です。

ひだまりケア

また、脳には扁桃体という不安やイライラを司る部分があり、
マルチタスクによって、この扁桃体も暴走し不安やイライラなどネガティブな感情が止まらなくなることも反芻思考の原因の1つになることもわかっています。

本来、扁桃体の暴走は、前頭葉によって抑えられています。

しかし、過剰なストレスを受けているときは、前頭葉の血流が低下し、扁桃体を抑制する機能が十分に働かなくなります。

当然、イライラや不安感等を抑制するエネルギーは少なくなっています。

脳が疲れると前頭葉などのデフォルトモードネットワークが機能しなくなり扁桃体が暴走するのです。

反芻思考をやめるには?

では反芻思考をやめるにはどうすれば良いのでしょうか?

それは、マルチタスクをやめることです。

最近は反芻思考を止める手段としてマインドフルネスがとても注目を浴びています。

1つの物事に注意を向けて集中することマインドフルネスと言います。

具体的な手段として、

・食事をしっかりと味わうこと、

・足の裏の感覚をじっくり味わいながら歩くこと、

・呼吸に意識を向けて瞑想すること、

これら全て、心が落ち着き自律神経が整ってくる行為です。

それと同時にセロトニン神経を鍛える行為とも重なっています。

そもそも、心身が疲れて、反芻思考に陥っているのであれば、疲れた心と体を癒すことは最も正攻法の対策といえます。

ちなみに、マインドフルネスの呼吸法によりデフォルトモードネットワークの過剰な働きを抑え、扁桃体の暴走によるイライラや不安感、焦燥感を抑制し、前頭葉の働きを向上させることが確認されています。

また
当院の整体、オステオパシー、頭蓋仙骨療法の観点から捉えると、頭蓋仙骨療法は頭蓋骨の縫合と呼ばれる関節の可動性を引き出し、脳内の血流量も大きく増加させていきます。

日頃の疲れでストレスを感じていたり、うつ病などで反芻思考の症状をお持ちの方は、

特に前頭骨内部の血流量が低下することにより、前頭葉機能(注意、記憶、集中)がうまく機能していないことが想定されます。

そこで、頭蓋仙骨療法の施術の一つ前頭骨リフトによって、前頭骨の可動性を高め、前頭葉の血流を改善、促進させます。

頭蓋仙骨療法を用いた自律神経の調整。安城のひだまりケア

それにより前頭葉が本来の働きを取り戻し、イライラ・不安・恐怖の原因となっている扁桃体の暴走を抑えて、辛い反芻思考を緩和させることにつなげていきます。

つまり、反芻思考を改善し、日常の安らぎを取り戻すことが期待できます。

【安城の整体ひだまりケアより、読書様へ】

このコラムは安城の整体、「自律神経専門整体ひだまりケア」のコラムです。

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