便秘と心の不調の関係

便秘でうつ、パニックになる?

忙しかったり、ストレスが溜まっていたりして、生活が不規則になると便秘になる人が多いです。

 

便秘に慣れてしまい、便秘になることが癖のようになってしまうと、思わぬ不調に陥ってしまいます。

 

実は便秘は、ただ「便が出なくて、不快な状態」という消化器系の問題にとどまらず、

精神的な健康にも大きな影響を与えることが知られています。

 

特に、うつ病やパニック障害などの心の不調と関連性が注目されています。

 

便秘が心の不調の要因になる理由

 

①腸内環境と脳の関係

腸は「第二の脳」とも呼ばれ、腸内環境が脳の機能に大きな影響を与えることがわかっています。

 

腸内には多くの神経細胞が存在し、脳と腸は迷走神経を通じて密接に連携しています。

 

このため、腸内環境が悪化すると、作業に集中できなかったり、注意力が低下してしまったりなど脳の機能にも悪影響を及ぼす可能性があります 。

 

②セロトニンの生成

セロトニンは、気分を安定させる役割を持つ神経伝達物質であり、またセロトニン自体が自律神経のバランスをコントロールする役割があるとされています。

セロトニンの約90%が腸内で生成されます。

 

便秘によって腸内環境が悪化すると、セロトニンの生成が減少し、

自律神経の乱れから、呼吸や循環の機能が低下して、興奮状態が続くと睡眠の質も浅くなります。

 

気分の不安定さが増したり、睡眠時間が減ったりするとうつ病やパニック障害のリスクが高まるとされています 。

 

 

③炎症反応の影響

 

一部の研究では、「うつ病やパニック状態は体全体の炎症反応が関与している」という仮説を立てられています。

 

便秘が続くと、腸内に有害物質が蓄積し、腸壁に炎症を引き起こすことがあります。

 

この炎症が全身に広がると、脳にも影響を及ぼし、うつ病やパニック障害のリスクを高める可能性があります。

 

④ストレスと便秘の悪循環

ストレスは便秘の原因となる一方、便秘自体もストレスを引き起こす要因となります。

 

便秘でお腹が張っていたり、キリキリするような腹痛があると不快で仕事に集中できないですよね?

 

これは過去の私も含めて、多くの人が経験している辛さだと思います。

 

この悪循環が続くことで、精神的な健康がさらに悪化し、うつ病やパニック障害のリスクが高まると考えられています 。

 

⑤自律神経の乱れ

上でも述べたように、便秘は自律神経のバランスを崩すことがあります。

 

自律神経が乱れると心身のリズムが崩れ、精神的な不調を引き起こしやすくなります。

 

特に、うつ病やパニック障害は自律神経の乱れと深く関係しているため、

便秘がこれらの障害を引き起こす一因となることがあります。

 

便秘に対する施術

便秘に対しては、食物繊維を取ったり整腸剤を利用することなどが有効ですが、

便秘に悩む多くの人々にとって、整腸剤やサプリメント以外での自然な治療法を見つけることは重要です。

 

運動もそのうちの一つになりますが、体のメンテナンスも大切です。

 

頭蓋仙骨療法やオステオパシーは、大腸や小腸のこわばりを解消したり、脳脊髄液の循環を整えて、

 

自律神経を向上させるなど、薬を使わずに便秘を改善する効果的な方法として注目されています。

ひだまりケアでも、特に「便秘」の主訴がなくても施術によってお通じが改善した方が大勢おられます。

 

それは、自律神経を整える上で骨盤周りや腹部へのアプローチは欠かせないこと、

また施術により自律神経が改善して睡眠の質が高まると、自然に便秘は解消されるからです。

 

便秘は放置しないでください

便秘は単なる消化器系の問題にとどまらず、精神的な健康にも大きな影響を与えることがわかっています。

 

腸内環境の悪化、セロトニンの生成減少、炎症反応、ストレス、

自律神経の乱れなどがうつ病やパニック障害のリスクを高める要因となります。

 

したがって、便秘を予防・改善することは、精神的な健康を保つためにも重要です。

 

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