自分で行う頭蓋仙骨療法 ④ 骨盤と頭のつながりをつくる

今回の記事では頭蓋仙骨療法のメインである頭部の施術の準備である「骨盤と頭部のつながりを作る施術」を説明していきます。動画もありますので先にみていただくとイメージしやすくなります。

なぜ施術の前に骨盤を調整する?

頭蓋仙骨療法を実施する上で、頭蓋骨の施術の前に骨盤を調整することは、

以下のような大切な意味を持ちます。

【骨盤調整の意味】

・骨盤から脊柱(背骨)、頭蓋、それぞれの動きのリンクを形成

・中枢神経を覆う硬膜の動きの正常化

・頭蓋仙骨リズムの促進による自律神経バランス機能の改善

頭蓋骨から骨盤部分までの機能的なつながりが形成されることにより、

 

そこから先の手や足までのエネルギーの流れの礎ができるわけです。

 

そのことにより、その後に行う頭蓋の施術の効果の向上が期待できます。

 

まずは、仰向けになって深呼吸をします。

そして膝を曲げた状態で開いたり閉じたりして骨盤の周りをリラックスさせます。

 

そこから次の手順を開始していきます。

 

>>頭蓋仙骨療法の詳しい説明はこちら

 

骨盤、頭蓋のつながりをつくる実践

 

①仙骨のリリース

膝を曲げた状態で骨盤を中に浮かせます。

両手で軽く握りこぶしを作って、骨盤の両脇に置きます。

その状態で骨盤を下ろしてリラックスしていきます。

手で骨盤の重みを感じながら、リラックスしていってください。

手と骨盤が馴染んできたら、しばらく(3分程度)リラックスします。

深呼吸をするとよりリラックスが促されます。

さらにリラックスして、骨盤に一層の柔らかさ、動きのようなものが感じられたら、わずかに手を足の方向に動かしていきます。

そのことで仙骨を背骨からやさしく引き離すように誘導します。

これにより骨盤と頭をつなげる硬膜をストレッチしていきます(優しく)。

ごくわずかな動きで充分です。

実際には骨盤の下に手を置くだけで、骨盤はリラックスされるので、それだけでも充分です。

 

②仙腸関節のリリース

 

仙腸関節とは骨盤の真ん中にある仙骨とその両側にある腸骨を結ぶ関節です。

 

 

この関節の自由度が上がることにより、頭蓋骨と仙骨の動きのリズムのバランスがさらに強化されます。

悪い姿勢を取ると骨盤が歪むと言われますが、

その骨盤の歪みもこの関節が大きく関係しています。

 

 

骨盤の前側にある両側の腸骨(骨が出っ張った部分)に優しく手のひらを当てて力を抜いてください。

この時に、皮膚には優しく触れつつ、骨をしっかりと捕えるイメージを持ってください。

 

手と骨盤の骨がしっかりとつながっているイメージができたらリリースされやすくなります。

 

仙腸関節の動きにより、通常であれば骨盤は外に膨らんだり内側に縮んだりする動きをします。

 

骨盤から伝わってくる感覚にしっかりと耳を傾けてください。

暖かさは感じるか?

動きの広がりを感じるか?

体のリズムを少しでも感じるか?

エネルギーや液体のような流れを感じるか?

 

 

動きが感じられてきたら、両手を同時に内側、上方に軽く誘導していきます。

 

これは骨盤の前側を閉じて、後ろ側を開いていくイメージです。

 

その状態で呼吸をゆっくりしながら1分から3分程度リラックスします。

 

 

③硬膜管のリリース

硬膜管リリースとは、後頭骨と仙骨に手を当てて硬膜のリラックスを促す技法です。

これは、仰向けか、横向きで寝た状態でもできますし座った状態でもできます。

 

楽な姿勢で行ってください。

 

横向きで行う場合は、頭の下にクッションを入れると心地よく横向きで寝ることができます。

 

後頭骨と仙骨に優しく手を当てます。

できるだけ広い接地面で優しく手を当てます。

 

当てている手が、骨に溶け込んでいくのをイメージしてください。

 

仙骨はどのように感じるか?

後頭骨はどのように感じるか?

 

両手から伝わる感覚はどんなものか?
広がりか?
温かさか?
何かエネルギーのような流れか?

 

仙骨と後頭骨のつながりを感じることができますか?

 

感じたら、繋いでいる硬膜にはどのようなことが起きているか?

 

少しでもイメージできたら、仙骨の部分を足方向に少しだけストレッチをかけます。

 

同じように、後頭骨の部分を頭の方向に少しだけストレッチをかけます。

 

仙骨と後頭骨をごく軽い力で引き離すイメージをして、そのまま心地よく3分程度リラックスします。

 

何も感じることができなければ、ただ心地よさだけを感じてください。

 

心地よさを感じることが硬膜管がリリースされていく上で最も大切なことになります。

 

そのことにより、頭蓋仙骨リズムはより明確にリバランスされます。

 

以上になります。

次回の記事は頭蓋仙骨セルフエクササイズの最終章になります。

 

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