自分自身に優しくなる胸の隔膜リリース
胸郭を整えると自分に優しくなれる?
オステオパシー、頭蓋仙骨療法の中で私が好きな施術として「隔膜リリース」と呼ばれるものがあります。
特にメンタルをリセットしたいときに自分自身に施術をしています。
その中で、対人関係で緊張し、やすかったり自分自身をなかなか受け入れられない人にお勧めなものが、
胸郭の部分の隔膜リリースです。
胸郭に関わる隔膜には有名なもので「横隔膜」と「胸郭上口」があります。
この記事では、胸郭上口(上図の矢印の部分)にスポットを当てて書いていきます。
アメリカのスタンフォード大学の研究では、「自信の作りかた」に関する研究が行われており、
その中でセルフコンパッション(自分自身を癒すこと)が重要視されています。
特にこの「自分自身を癒す」「自分自身に優しくする」ことに関連しているのが胸郭のリリースです。
胸郭上口を整える身体的メリット
胸郭上口を整えることには多くのメリットがあります。
以下に主な身体的なメリットを挙げます
①呼吸の改善
胸郭出口を整えることで、肺の拡張が促進され、呼吸が楽になります。
呼吸がしっかりできるようになると、体中に酸素が送られて、特に疲れやすいと感じている人は、体が軽くなっていきます。
また、呼吸が浅いと不安が強くなり、緊張しやすくなるので注意が必要です。
②姿勢の改善
胸郭の構造が整うことで、姿勢が改善され、痛みや不快感が軽減されることがあります。
言うまでもなく姿勢の悪化は自律神経の悪化をも示唆します。
また、肋骨の動きが改善することにより、巻肩の解消、五十肩の予防及び改善にもなります。
③手の運動、感覚の改善
胸郭の構造が整うことで、運動時の呼吸がスムーズになり、全体的な運動能力が向上することがあります。
特になで肩の女性に多い胸郭出口症候群では、胸郭上口(別名胸郭出口)の部分で動脈が締め付けられることにより起こります。
特に手指の血流の改善により手のしびれ、握力低下や手指の巧緻動作、また腱鞘炎やバネ指の改善に寄与します。
④心臓の負担軽減
胸郭の構造が整うことで、心臓の負担が軽減され、心臓の健康が保たれることがあります。
特に、肋骨及び胸骨の動きを改善することにより、筋膜を介して心膜の動きの改善につながります。
これらは身体面のメリットですが、
実は胸郭上口を整えると、心のバランスも整っていきます。
胸郭上口を整える精神的メリット
胸郭出口を整えることによるメンタル面でのメリットには、以下のようなものがあります
⑤ストレス軽減
呼吸が深く、ゆったりとできるようになることで、副交感神経が優位になり、ストレスが軽減されます。
また、呼吸が整うとセロトニン神経が活発に働き、心の安定が向上します。
⑥集中力の向上
深い呼吸は酸素供給を改善し、脳の働きを助けるため、集中力や注意力が向上します。
また、セロトニン神経が活発化することにより、リラックスした状態と集中した状態が同時に起こるいわゆるZONEの状態に入りやすくなります。
仕事やスポーツで大きく結果を出している人は、特にこの状態に入っている人が多いです。
⑦情緒の安定
呼吸が整うことで、気分が安定し、感情の起伏が穏やかになることがあります。
これらの効果により、メンタルヘルスが改善されることが期待できます。
以上のことから胸郭上口を整えることは、身体だけでなく心の健康にも寄与することがわかります。
⑧第4チャクラの改善
胸郭上口の動きを改善すると、鎖骨や肋骨や胸骨の動きも改善されます。
特に胸骨には大切なチャクラがあります。
胸骨のチャクラは第4チャクラであり「ハートチャクラ」と呼ばれます。
これは心臓の上に位置し、感情や愛情、自己愛に関連するエネルギーセンターです。
と言われても、ピンと来ないですよね…。
少しマニアックな話になってるのを承知で話します。
わかりやすく、例え話で説明すると、
誰かに褒められたときに、
素直に喜べない人と素直に喜べる人がいます。
素直に喜べない人は、自分自身が自分を受け入れていない状態です。
素直に喜べる人は、自分自身をありのままに受け入れられている状態です。
ハートチャクラが開いている状態とは、自分自身をありのままに受け入れられる状態になります。
自分自身に対して、価値判断を下さずに、無条件で自分を愛すること、
そうすることによって、他人の愛をそのまま受け入れ、また自分自身も他人に対して愛を向けられる状態になります。
確かに自分に余裕がない時は、他人に優しくする余裕もないかもしれませんよね。
だから、胸郭上口の施術は究極的には自分自身を優しく癒す行為であると同時に、
他人にも愛を向けられることができ、人間関係の調和を保つことにつながります。
胸郭上口を整えるセルフエクササイズ
いかり肩やなで肩の人、また呼吸が浅い人にはぜひ行ってほしいセルフエクササイズです。
姿勢は楽な格好で、ソファーに座っても良いですし、ベッドに寝ても良いです。
片手を鎖骨の前に優しく当てます。
右手で行う場合、人差し指が左の鎖骨に、親指が右の鎖骨に軽く触れるようにします。
優しく手を当てたまま深呼吸を3回します。
皮膚から感じられる動きの広がりや呼吸の広がる動きを感じます。
緊張がとれない場合は、肋骨の下部からみぞおちの部分にも優しく手を当てて、呼吸の動きを観察してください。
徐々に手と体が一体化していく感覚が得られてきます。
手が胸に溶け込むようなイメージでゆっくりリラックスします。
時間に余裕があれば、5分程度この状態を続けてください。
徐々に手から感じる広がりやエネルギーの流れのようなものが想像できてきます。
左右の肋骨の動きを感じたり、その真ん中にある胸骨の動きも感じてください。
特に緊張感が強い人は胸骨の動きが固かったので、
解放されていると動きの広がりが感じやすいかもしれません。
動きの広がりが落ち着いてきて、呼吸がゆっくりになったなと感じたら、
そっと手を離します。
胸が軽くなった、もしくは心が軽くなったと、少しでも感じることができれば成功です。
【セルフ隔膜リリースの動画】
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