女性ホルモンと骨盤隔膜のリリース

骨盤隔膜は骨盤底筋の一部であり、マインドフルネスや丹田呼吸などでも鍛えることができる言わばエネルギーの中心部とも言えます。

 

この記事では骨盤隔膜の重要性とセルフエクササイズを紹介します。

 

骨盤隔膜の重要な役割

骨盤隔膜は、骨盤底に位置する筋肉と結合組織の一部であり、さまざまな体の機能を支える重要な役割を果たしています。

このエリアは、自律神経系とも密接に関係しており、排泄機能や女性ホルモンのバランスに大きな影響を与えます。

 

(骨盤隔膜を上から見た図)

 

(骨盤隔膜を左横から見た図)

 

 

骨盤隔膜と排泄機能

骨盤隔膜は、排泄機能の調整において重要な役割を果たします。

 

具体的には、膀胱や直腸の支持およびコントロールを担っており、

適切に機能することで尿や便の排出がスムーズに行われます。

 

しかし、骨盤隔膜が弱化したり緊張したりすると、膀胱や直腸に対して適切な内圧調整ができず、それらの臓器に機能障害が生じます。

それによって尿失禁や便秘などの排泄障害が生じることがあります。

 

特に女性に多いストレス性尿失禁は、骨盤隔膜のケアにより適切な圧調整が再度可能になることで改善することがあります。

 

尿失禁や便秘があると体に不必要な毒素、また老廃物が溜まり、むくみや肌荒れ、また原因不明のだるさにつながる恐れがあります。

 

骨盤隔膜と女性ホルモン

【女性ホルモンとの関係】

女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンは、骨盤隔膜の健康に大きく影響を与えます。

特に、エストロゲンは骨盤隔膜の筋肉を強化と機能を維持に欠かせないホルモンです。

 

エストロゲン分泌が低下すると、骨盤隔膜の機能低下による様々な症状が現れる恐れがあります。

また、骨盤隔膜の機能低下自体がエストロゲン分泌の低下の原因になるなど、相互に影響しあっている関係です。

 

【更年期と骨盤隔膜】

更年期に入るとストロゲンの分泌が減少し、骨盤隔膜の筋力も低下しがちです。

 

これにより、尿失禁や骨盤臓器脱(膀胱や子宮の下垂)のリスクが高まります。

 

【ホルモンバランスの調整】

骨盤隔膜を整えることで、ホルモンバランスが改善され、生理痛や月経前症候群(PMS)の症状緩和に役立つことがあります。

月経前に頭痛やめまいが起きたりすることなどは、骨盤隔膜の機能低下が要因の1つとして考えられます。

 

また、更年期障害や月経前症候群と骨盤隔膜が関連し合っていることを考えると、

これらの時期に出現する抑うつ状態や不安の増加などは直接的にはないにしても、少なからず骨盤隔膜の影響が関連していることが考えられます。

 

現在、街のドラッグストアで、女性向けの商品として、骨盤サポーターや骨盤底筋群をリリース為のアイテムが売られていることからも骨盤ケアの大切さが重視されていることが伺えます。

 

 

自律神経と骨盤隔膜

自律神経は、無意識に体の機能を調整する神経系であり、骨盤隔膜の状態にも影響を与えます。

自律神経は交感神経と副交感神経から成り、これらがバランスを取ることで身体の安定を維持します。

 

交感神経・副交感神経と骨盤隔膜

交感神経は緊張やストレス時に活性化し、身体を戦闘モードに準備させます。

一方、副交感神経はリラックスや消化を促進します。

 

骨盤隔膜が緊張して硬くなると交感神経が過剰に刺激され、ストレスが増大することがあります。

骨盤隔膜のリラクゼーションは、副交感神経を活性化させ、全身のリラックス状態を促進し、体の機能も調和が保たれていきます。

 

ただこれは、「硬ければダメ、緩ければ良い」というものでもありません。

骨盤隔膜が機能するには、ある程度の柔らかさを保ちつつ、程良い緊張(テンション)が働く必要があります。

 

実際に施術において目的とするところは、ただ硬い部分を緩ませることでもなく、ただゆるい部分を硬くすることでもありません。

 

硬い部分に対しても緩んでいる部分に対しても、程良いテンションを取り戻していくことが目的となる場合が多いです。

 

骨盤隔膜の緩め方

片手をお腹に置き、ちょうど小指が恥骨に当たるようにします。

恥骨は左右の骨盤の繋ぎ目に当たる部分であり、おへそから真っ直ぐ下にたどった時に最初に当たる硬い骨の部分です。

正確に当てれているかどうかわからない場合でも、その近くに手を置いてイメージしていただくだけでも大丈夫です。

手を当てている部分から床に触れてる臀部へのつながりを意識し、骨盤底部をイメージします。

 

体と手が一体化していくのを感じたら、広がりや温かさが感じられるかもしれません。

感じたらそのまま観察します。

 

あまり操作は加えなくて良いので、緩んでいくものは緩んでいくままに、

広がっていくものは広がっていくままに、動きにそのままついていくようにしてみてください。

 

動きが大きくなると、やがて止まったように感じられます。

 

そこまでやれればオッケーですが、十分に心地よい状態になれたら骨盤隔膜も充分リラックスできていると考えられます。

 

【セルフ隔膜リリースの動画】

 

 

まとめ

骨盤隔膜は、排泄機能や自律神経、女性ホルモンのバランスに密接に関わる重要な部分です。

骨盤隔膜の健康を維持することで、尿失禁や便秘の予防、ストレス軽減、ホルモンバランスの調整など、さまざまな健康効果が期待できます。

 

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