頭蓋仙骨療法、オステオパシーが不妊に与える影響について 〜自律神経と骨盤内臓器のバランスを整える〜

先日、不妊症に対するオステオパシーの国際セミナーに参加してきました。

 

婦人科系に特化した国際セミナーに参加する機会はなかなか無く多くの気づきが得られました。

 

お誘いいただいた先生には感謝です。

 

さて、

子供を望むカップルにとって、不妊治療は非常に重要なステップです。

 

しかし、医療的なサポートに加えて補完療法を取り入れることで、さらなる効果を期待することができます。

 

お客様の妊娠の報告について

実はひだまりケアでも過去の事例でお客様からご懐妊の報告を受けた事は数件あります。

 

ただ、この方たちは「妊娠しやすい体になりたい」という目的で整体を受けたわけではありません。

 

あくまで、頭痛や不眠症など一見不妊とは関係ない体の不調があり、

 

自律神経の改善目的で施術を受けた結果、副次的にご懐妊に至ったということです。

 

そこでこの記事ではオステオパシーや頭蓋仙骨療法が、

 

妊娠のしやすさにどのように影響しているのか?

 

について記述していきます。

 

また、

 

この記事は、女性向けの記事ではありません。

 

不妊といえば、どうしても体の問題と思われがちですが、同じくらい男性の体の問題でもあります。

 

自律神経と不妊の関係

自律神経は、体内のさまざまな機能を調整する役割を持っています。

 

ストレスや不安が高まると、自律神経のバランスが崩れ、ホルモンの分泌や血流に影響を与えることがあります。

 

これにより、子供を望むカップルにとって重要な骨盤内臓器の機能が低下することがあります。

 

頭蓋仙骨療法は、自律神経のバランスを整える効果があり、妊娠を阻害する要因となる様々なストレスの軽減に役立ちます。

 

施術を受けることで、筋肉が適度に弛緩されて、血流の改善が得られます。

 

また、体が休息状態に入ることにより、中枢神経系の機能が高まり、ホルモンバランスの正常化を助けます。

 

脳には視床下部という卵巣や精巣に対して性ホルモン(エストロゲンやテストステロン)の分泌を促すための司令塔があるので、

 

男性にとっても女性にとっても中枢神経、つまり脳の働きは、妊娠力を高めるために重要になります。

 

だから、不妊の解消において、頭蓋の施術は不可欠であると考えられています。

 

頭蓋仙骨療法とは

頭蓋仙骨療法は、頭蓋骨から仙骨にかけての微細な動きを調整することで、

 

体全体のバランスを取り戻す手技療法です。

 

この療法は、ストレスの軽減やホルモンバランスの改善に寄与するため、

 

不妊治療の補完的療法として利用する方もおられます。

 

頭蓋仙骨療法について

 

骨盤内臓器と頭蓋仙骨療法の関係

骨盤内臓器、特に子宮や卵巣は、また男性では精巣、精嚢、前立腺の機能などは健康な妊娠において重要な役割を果たします。

 

頭蓋仙骨療法では、骨盤隔膜や仙骨の動きの改善を図る施術プロセスがあります。

 

仙骨から出る副交感神経(仙骨神経)これらの臓器への血流を促進し、

 

子宮や卵巣、精巣、前立腺、またそれらの栄養に必要な消化管機能の正常な機能をサポートします。

 

頭蓋仙骨療法の施術の流れ

頭蓋仙骨療法の施術は、柔らかなタッチで行われ、患者さんにリラックスしていただける環境で進められます。

 

施術者は横隔膜のリリースなど体全体のつながりを構築していき、頭蓋骨や仙骨周りの微細な動きを感じ取り調整を行います。

 

この過程で、患者さんは心地よいリラックス感を味わいながら、体全体のバランスが整っていくのを実感できます。

 

不妊の解消に特化した施術例

頭蓋仙骨療法では、全般的な自律神経の改善の助けになりますが、

さらに、不妊に特化した施術が必要な場合は、以下の施術が考えられます。

 

 

・子宮や卵巣、前立腺、膀胱など骨盤内臓器のリリース

 

性ホルモンや、排卵、射精に関わる骨盤内臓器のリリースをして、臓器の機能を高めることは大切です。

 

膀胱は一見関係なく思われがちですが、

 

ストレスにより尿が近くなるなどの神経陰性膀胱などの例から自律神経の影響を受けやすい臓器といえます。

 

 

・第10胸椎から第5腰椎にかけてのリリース

この部分から、骨盤内臓器を支配する交感神経が出ています。

 

この部分の交感神経反射が過剰になると、胃腸や骨盤内臓器が十分に機能しなかったり、また慢性的なストレスにつながります。

 

 

・足首から膝窩、膝関節など下肢全般の循環に関わるポイントのリリース

足首や膝の周囲は、特に血流やリンパの流れが滞り起こしやすいポイントです。

 

下肢の血流改善は腸や、腎臓、生殖器系への血流改善にもつながります。

 

 

 

・胃、十二指腸、小腸、大腸など消化管のリリース

胃腸の働きが悪いと、骨盤内臓器に十分に栄養が行き渡りません。

 

また腸内環境にはセロトニン生成に深く関連しており、自律神経を整える大切な役割があります。

 

また、これらの臓器の機能不全は横隔膜の機能にも関連している可能性もあり、呼吸の質の改善の余地があることを示唆していることがあります。

 

 

 

・環椎と後頭骨部のリリース

何らかのストレスが溜まると、このポイントが硬くなり、脳脊髄液の流れを阻害しやすくなります。

 

脳と脊髄の接続ポイントとして重要な部分です。

 

 

・頭蓋の動き全般、特にSBS(蝶形後頭結合)のリリースや硬膜管のリリース

頭蓋仙骨リズムの重要なポイントです。

蝶形骨にあるトルコ鞍には脳下垂体が収まります。

 

脳下垂体には卵巣や精巣に妊娠に関連する性ホルモンの分泌を促す働きがあります。

 

 

 

 

これら以外に、生活習慣として適度な運動、体を冷やさないことや、

 

食事などで葉酸やビタミンDや亜鉛の摂取、有害物質(ニコチンやカフェイン、トランス脂肪酸など)の摂取を減らすことなどが挙げられます。

 

 

※この分野に関してはさらに深く学んだことや実際の施術で行ってることなど、今後も記事をアップしていきます。

 

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【参考書籍】