自律神経を整える首ケア カウンターストレインの効果

首の健康は、自律神経のバランスを保つ上で非常に重要です。

特に、カウンターストレインという手法を用いた筋膜リリースは、

首の緊張を解消し、自律神経の乱れを改善する効果が期待されています。

本記事では、カウンターストレインの仕組みとその具体的な方法について詳しく解説します。

 

自律神経と首の関係

自律神経は、交感神経と副交感神経の2つから構成され、体内のバランスを保つ役割を担っています。

 

首には星状神経節をはじめとする重要な神経が集中しており、これらが自律神経の調整に深く関わっています。

 

首の筋肉や筋膜が緊張すると、神経や血流が圧迫され、自律神経の乱れを引き起こす可能性があります。

 

筋膜リリースとは?

筋膜リリースは、筋膜の緊張を解放することで、血流や神経の流れを改善する手法です。

 

筋膜は全身を包む薄い膜であり、筋肉だけでなく神経や血管とも密接に関係しています。

筋膜が硬くなると、神経が過敏になり、自律神経の乱れを引き起こす原因となります。

 

広義ではカウンターストレインは筋膜リリースの手段の一つと考えられています。

 

カウンターストレインの仕組み

カウンターストレインは、筋肉や筋膜の緊張を間接的に緩和する施術法です。

 

この手法は、痛みを感じる部位を「楽な位置」に保持することで、筋肉の緊張を解除します。

 

具体的には以下の手順で行われます。

1. 圧痛点を特定する。

2. 圧痛点が最もリラックスする位置に体を調整する。

3. その状態を約90秒間保持する。

4. ゆっくりと元の姿勢に戻す。

5. 再評価を行い、改善を確認する。

 

このプロセスにより、筋膜の緊張が解放されるだけでなく、副交感神経が活性化し、全身のリラクゼーション効果が得られます。

 

【少しだけ専門的な説明】※興味のない人はすっ飛ばしてください!

カウンターストレインによって痛みが消失する仕組みは、身体を特定の姿勢に戻し、筋膜や筋肉の緊張を緩和することで達成されます。この資料によると、以下の手順が重要になります。

①初期のストレイン姿勢に戻す
まず、痛みを引き起こしている筋膜や筋肉の緊張が発生した「ストレイン姿勢」に戻します。これは、身体が過去に緊張状態になった位置へ優しく誘導することを意味します。

 

②90秒間保持する
この姿勢を約90秒間維持することで、筋膜や神経の異常な信号のリセットが可能になります。この時間が重要で、短すぎると十分な効果が得られません。

 

③徐々に元の位置に戻す
痛みが軽減され始めたら、急に動かさず、ゆっくりと元の位置へ戻していきます。これにより、筋膜や筋肉が適応し、痛みの再発を防ぎます。

この仕組みは、神経系と筋膜の自己調整機能を活用するもので、特定の姿勢を保持することで「誤った緊張信号」を解除し、痛みを軽減する効果を生み出します。

また、カウンターストレインを含む「間接法」テクニックは、基本的には関節をまず最も自由に動く方向に動かし、組織が全くストレスを感じないところまで関節を解放すること。

次にこの点で止めて細胞管に液の生体力学的圧力が働いて、組織間液が正常な関係と形状を取り戻すのを促すことにより運動性柔軟性を正常化する効果があるとされています。

簡単に言うと、「痛みを引き起こしたストレス状態に一度戻してから、そのストレスを解消させる」という考え方です。

 

カウンターストレインによる首の筋膜リリースの効果

カウンターストレインを用いた筋膜リリースは、以下のような効果が期待できます:

・自律神経のバランス改善

交感神経の過剰な活動を抑え、副交感神経を優位にする。

 

・血流の促進

筋膜の緊張を解放することで、血流が改善される。

 

・ストレスの軽減

リラクゼーション効果により、精神的なストレスが軽減される。

 

・睡眠の質向上

副交感神経の活性化により、深い睡眠が得られる。

 

・緊張性頭痛やめまいなどの軽減

首の緊張がゆるむことで、疼痛や不快な自律神経症状の軽減を助けます。

セルフでの実践例

首の筋肉を緩める施術を簡単に紹介します。

頭痛や首こり、食いしばりなどある人は試してみてください。

 

※強く押しすぎないように気を付けてください。

 

①左右どちらかの下顎角(エラの所)と乳様突起(耳の下の硬い骨)の間を指で押さえてみて、痛みを感じる部分を探してみてください。

↑赤いエリア内を抑えてみて痛みを感じるポイントをさがしてください

 

②左右どちらかで痛いポイントを見つけたら、そのまま首を痛いポイントの反対方向に回します。

例えば、左側に痛いポイントを見つけた場合、そのまま首を右側に回します。

 

③痛みが消失、または3分の1以下になるところまで首を回したら90秒待ちます。

 

④ 90秒後同じところを抑えて痛みがなくなっていることを確認します。

 

⑤水分をとってリラックスします。

 

※あまり強く指を押しすぎないように、優しく押してください。
また、これはあくまでごく一部であり、実際には、施術者による実施の方がより好ましいです。

 

 

まとめ

カウンターストレインを用いた筋膜リリースは、首の健康を保ち、自律神経の乱れを改善する効果的な方法として紹介しました。

 

ひだまりケアをはじめとした多くの施術院でも採用されています。

 

頭蓋仙骨療法との相性も良く、専門家による施術でさらに効果が期待できるでしょう。

 

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