上部胸椎調整の驚くべき効果 ~ストレス軽減と精神的健康を支えるオステオパシー~
オステオパシーでは上部胸椎を調整することで、精神面への影響を与えると考えられています。
これは直接的な話ではありませんが、上部胸椎の調整がめぐりめぐって、
ストレスの軽減や精神的な安定につながっているとされているからです。
1つの理由としては、上部胸椎を調整することで、脳への血流が向上します。
また、肋骨の動きにもつながるため、呼吸改善にもつながります。
そして交感神経節に関連して様々な臓器に影響を与えます。
以下に詳しく説明していきます。
上部胸椎が精神面に与える影響
オステオパシーにおける上部胸椎の調整が精神機能に与える影響について、さらに深く掘り下げていきましょう。
この理論は、身体の構造と機能が密接に関連しており、
特定の部位の調整が全身、さらには精神面にも波及するという考え方に基づいています。
①脳への血流の向上と精神的健康
上部胸椎の調整は、脳への血流向上を促進するとされています。
胸椎近くに位置する交感神経節が調整されることで、
血管の収縮や拡張が適切に行われ、脳の酸素供給が改善されます。
これにより、集中力の向上やストレス軽減などが期待されます。
また、血流の改善は精神的なエネルギーやクリアな思考をサポートするとされています。
②呼吸改善とその心理的効果
上部胸椎の調整は、肋骨の可動性を高め、呼吸機能を改善します。
胸郭がリラックスすることで、呼吸が深くゆったりとしたものになり、
副交感神経が優位になるためリラクゼーションが促進されます。
この効果は、ストレスを緩和し、不安や緊張を和らげる上で重要です。
深い呼吸は、精神的な安定感をもたらし、心身のバランスを整えるとされています。
③交感神経と副交感神経のバランス調整
上部胸椎に影響を及ぼす交感神経節の調整は、自律神経系のバランスにも寄与します。
特に、現代社会で問題となる交感神経の過剰活性化(いわゆるストレス状態)を緩和し、副交感神経を活性化させる働きがあるとされています。
この自律神経のバランスが取れることで、睡眠の質が向上し、心の平穏や感情の安定がもたらされる可能性があります。
④心臓との関係性
先述の通り、胸椎周辺の交感神経は心臓の機能にも関連しています。
心拍数や血圧が適切に調整されることで、全身の健康だけでなく精神的な安定感も促進されると考えられます。
特に、ストレス時に急上昇する心拍数を適切に制御できるようになることで、精神的な負担を軽減する効果が期待されます。
⑤筋膜のつながりと感情のリリース
オステオパシーでは、身体全体をつなぐ筋膜が「感情を記憶する」と考えられることがあります。
上部胸椎を含む筋膜の緊張を解放することで、過去に蓄積されたストレスやトラウマを手放す助けになると言われています。
このプロセスが、患者の精神的な軽さや開放感をもたらす要因の一つとされています。
終わりに
私が普段、頭蓋仙骨療法の一連の施術を行う中で、必要な人には施術前後もしくは施術中に、上部胸椎を重点的に調整することがあります。
上部胸椎の調整のみで「頭がすっきりした」「心が軽くなった」と感想くださる方がいます。
もちろん、すべての人に当てはまるわけではありませんが、
上記の根拠から上部胸椎の調整は、身体の構造的な健康だけでなく、精神的な健康にもポジティブな影響を与える可能性があると考えられています。
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