コーヒーが自律神経に与えるネガティブな影響とは?
こう感じたら“付き合い方”を見直すタイミングかもしれません
「コーヒーがないと一日が始まらない」
そう感じる人は少なくありません。
私も作業療法室をして勤務している時代は、まさにそんな状態でした。
今思えば、まさに破綻の前兆という感じでしたね。
話を戻します。
実際、カフェインには集中力や覚醒を高めるなどのプラスの面も多く存在します。
ただし、メリットの裏側にあるデメリットもまた見逃せません。
特に
「最近疲れが抜けない」
「不安や緊張が増してきた」
「睡眠が浅い」
そんな変化を感じている人は、自律神経への悪影響に目を向けるべきかもしれません。
ここでは、コーヒーが“敵”になる可能性のある3つの影響について、分かりやすく深掘りしていきます。
コーヒー好きだからこそ、知っておいた方が良い3つのこと
① エネルギーの“前借り”が慢性疲労を生む
カフェインの本質は、“今すぐ動けるようにするドーピング”のような作用です。
言い過ぎか‥。
私たちの体が感じる「眠気」は、脳内のアデノシンという物質が蓄積されることで生じます。
カフェインはそのアデノシンの受容体をブロックし、眠気を感じにくくしてくれます。
しかしこれは「疲れていない」わけではなく、あくまで感覚をごまかしているだけ。
本来なら“休むべきタイミング”に無理をして動いてしまうことで、体は本来持っていたエネルギーを先に使い切ってしまい、
後になってどっと疲労が襲うという状態に陥ります。
例えるなら借金があるのにその借金を補填するために、また借金を繰り返してしまう状態。
最後は痛い目を見ます。
特に慢性疲労が抜けない人は、この“エネルギーの前借り”を繰り返していないか、振り返る必要があるでしょう。
② 交感神経が優位になり、不安が加速する
コーヒーに含まれるカフェインには、交感神経を刺激する作用があります。
交感神経は「戦うか逃げるか」のモードを司る神経で、緊張・警戒・行動の指令を出す役割があります。
適度な緊張感は生産性を高めますが、交感神経が過剰に優位な状態が続くと、
心身が常に“臨戦態勢”になり、不安や焦燥感、動悸といった症状に繋がることがあります。
闘争心も度がすぎると強烈な不安に変わってしまうというわけですね。
さらに怖いのは、精神的に不安定な時期にはパニック発作や強迫的な思考のトリガーとなる可能性もあります。
特に「頭がずっと働きっぱなし」「夜中に目が覚めて不安が湧く」といった人は、コーヒーとの距離を見直すタイミングかもしれません。
ただ、個人的に思うのは、
このことを知っておけば、
「この理由のない不安はカフェインのせいかもしれない」
と頭の中で分析できるわけです。
そうなると、過度な不安のスパイラルに陥らずに少し心が軽くなります。
そして、冷静な対応策も見えてきます。
③ 睡眠の質をじわじわと下げる
「夕方の一杯ぐらいなら平気」
と思っていませんか?
実際平気な人もいると思います。
しかし、今現在睡眠の悩みを感じている人は別です。
実はカフェインの半減期は個人差がありますが、平均で5〜6時間、場合によっては8時間以上体内に残り続けます。
これが問題なのは、「眠れるかどうか」ではなく「どれだけ深く眠れているか」。
カフェインはノンレム睡眠(深い眠り)の質を下げることが分かっており、
「寝たはずなのに疲れが取れない」
「朝起きるとだるい」
と感じる要因になり得ます。
また、睡眠中に副交感神経が優位になることで心身が回復するわけですが、交感神経が刺激されたままだと、回復モードに入れなくなるのです。
最後に コーヒーを“敵”にしないために
この記事は「コーヒー=敵」「カフェイン=悪」という主張をしたいわけではありません。
むしろ、上手に付き合えばカフェインは集中力や運動パフォーマンスを高め、メンタルにもポジティブな効果をもたらしてくれます。
ただ、自律神経のサイクルにダメージを与えるような使い方をしていないかは、今一度立ち止まって考える価値があります。
• 疲れを感じたらあえて一杯、我慢してみる
• 寝る8時間前にはカフェインを控える
• カフェイン“なし”の休日を設けてみる
そんな小さな選択の積み重ねが、コーヒーを味方につける第一歩かもしれません。
【コーヒーに関するポジティブなコラム】
【自律神経関連コラム】