心の奥にいる“あの子”と出会うとき──インナーチャイルドが語る本当の声

この記事は、繰り返す感情のパターンや人間関係の悩みに心当たりがある方、自分の行動の根っこを探りたい方におすすめです。

 

過去の体験が今の自分にどう影響しているのかを知り、より自由で穏やかな生き方へのヒントを得られます。

 

 

【こんな感情を抱いたことがある人は読んでみてください】

 

・やりたいことがあるのに、「失敗したらどうしよう」と怖くて一歩が踏み出せない

 

・嬉しいことがあっても、「言ったら迷惑かも」「面倒なことになるかも」と我慢してしまう

 

・人が集まる場に行きたいのに、「どうせ自分なんて…」と劣等感が先に立って足がすくむ

 

・誰かに頼りたいのに、「迷惑かけたくない」「弱いと思われたくない」と言えずに抱え込む

 

・何かを断るとき、「嫌われるかも」「怒られるかも」と不安になって無理に引き受けてしまう

 

 

 

「インナーチャイルド」=「幼少期のトラウマ」ではない

施術を重ねていく中で、お客様の身体が深く緩み、意識が変性状態へと移行する瞬間に立ち会うことが増えてきました。

 

そうした状態では、普段は意識の奥に沈んでいる過去の記憶や感情が、まるで水面に浮かび上がるように現れてくることがあります。

 

特に印象的なのは、幼少期の体験が現在の性格や行動パターンに強く影響を与えていると感じられる場面です。

 

表面的には大人としての振る舞いや思考に見えていても、その根底には幼い頃に形成された感情や信念が深く関与していることが少なくありません。

 

こうした瞬間に立ち会うと、「インナーチャイルド」という概念がまさに現実のものとして目の前に存在していることを感じます。

 

単なる心理学的な用語ではなく、クライアントの内側で確かに息づいている

“内なる子ども”

の存在が、今この瞬間の反応や選択に影響を与えているのです。

 

正直に言うと、、

私はこの言葉について深く理解していたわけではありません。

私の中では、インナーチャイルドとは「幼少期のトラウマ」のようなものだろうと、漠然と捉えていた程度でした。

 

 

インナーチャイルドとは、幼少期の記憶や感情、思考のクセが潜在意識に刻まれ、大人になった今もなお、無意識の反応や選択に影響を与える“内なる子ども”のことです。

それはトラウマだけでなく、喜びや純粋な願望も含まれており、単なる傷ではなく、その人の根源的な性質を形づくる重要な要素とも言えます。

 

※最近、治療家仲間から良書を紹介してもらい、繰り返し読みながら理解を深めているところです。

 

インナーチャイルドの影響とは

 

たとえば、他者からの評価に過敏に反応してしまう人がいます。

 

これは幼少期に「良い子でいなければ愛されない」という環境で育った結果、承認欲求が過剰に形成された可能性があります。

 

また、逆に人との距離を極端に取る人は、過去に裏切りや拒絶を経験し

「誰にも心を開かない」

 

ことで自分を守ってきたインナーチャイルドが影響しているかもしれません。

 

 

さらに、過度に頑張りすぎる人、完璧主義に陥る人も、幼少期に「失敗してはいけない」「期待に応えなければならない」といったプレッシャーを受けていた可能性があります。

 

その“がんばる子ども”が今も心の奥で指令を出し続けているのです。

 

 

 

 

施術の中で身体が深く緩み、脳波がアルファ波やシータ波といったリラックス状態へと移行すると、顕在意識のフィルターがゆるみ、普段はアクセスしづらい潜在意識の領域に自然とつながっていきます。

 

すると、これまで忘れていたはずの記憶や、言葉にならなかった感情が、まるで映像や感覚として浮かび上がってくることがあります。

その中でも特に多いのが、幼少期の体験、つまりインナーチャイルドに関わる記憶です。

 

過去の出来事そのものというよりも、そのときに感じた「怖かった」「寂しかった」「わかってほしかった」といった感情が、身体の奥底から湧き上がってくるのです。

 

私も10年以上前に整体を受けている途中や瞑想始めたあたりの時、強烈にこれらの記憶や言葉が心に浮かび上がってきました。その時はインナーチャイルドという言葉自体知りませんでいたが。

 

さらに深い記憶につながることも

 

さらに興味深いのは、時にインナーチャイルドの取り組みを行っている方が、「この人生ではない記憶」がよみがえると語る方がいることです。

 

たとえば、まるで別の時代や文化、性別や立場で生きていたような感覚や、強烈なビジョン、感情のフラッシュバックを体験されることがあります。

 

いわゆる“前世の記憶”と呼ばれるものです。

 

こうした体験を、単なる妄想や精神的な異常と切り捨ててしまうのは簡単です。

 

しかし、施術の現場で向き合っていると、それがその人の内的な真実として、確かな意味と感情を伴って現れていることがわかります。

 

たとえそれが科学的に証明できないものであっても、本人にとっては「今ここにあるリアルな感覚」であり、その感情を丁寧に受け止めることが、深い癒しと変容の入り口になるのです。

 

癒しとは、正しさや証明ではなく、「その人の内側で何が起きているか」に真摯に寄り添うことから始まると考えています。

 

インナーチャイルドも、前世の記憶も、すべてはその人の“今”を形づくっている大切な一部なのです。

 

時にインナーチャイルドを癒す過程において、前世の記憶の中で何かを解決することがその人にとって必要な場合があります。

 

(※私自身に人を前世の記憶と結びつける能力があるわけではありません。体がリラックスしていく過程で前世やインナーチャイルドと結びつくことがあります。施術者の霊感の有無などの関係ないとかんがえています)

 

長年の原因不明の頭痛が、前世の記憶やインナーチャイルドと深く結びついているかもしれません。

 

その傷つきや、トラウマ的な出来事をご自身の中で解決することで、痛みが完全に消失することや、生き方が変わることとも十分に考えられます。

 

インナーチャイルドとつながること、また過去の記憶とつながることで、

 

その瞬間に、ただの身体の不調ではなく、心の奥にある未解決の感情が関与していることに気づくのです。

 

 

インナーチャイルドとつながる方法と対話事例

 

インナーチャイルドと向き合うことは、過去を癒すだけでなく、現在の自分の性質を理解し、より自由な選択を可能にする第一歩です。

今回はあえて、施術の話のみならずインナーチャイルドに対する対応方法について少し紹介します。

 

【インナーチャイルドとつながる方法】

インナーチャイルドとつながるためには、まず「自分の内側に耳を傾ける時間」を持つことが大切です。

忙しい日常の中で、私たちはつい自分の感情や反応を流してしまいがちですが、そこにこそインナーチャイルドの声が隠れています。

以下の方法があります。

• 静かな時間を確保する

瞑想や深呼吸を通じて、心身を落ち着かせることで潜在意識にアクセスしやすくなります。

• ジャーナリング(書き出し)

「最近なぜこんなにイライラするのか」「なぜこの場面で不安になるのか」など、自分の感情の根っこを探るように書き出してみましょう。

• インナーチャイルドへの語りかけ

自分の中の“子ども”に向けて、「怖かったね」「よく頑張ったね」と優しく声をかけてみることで、癒しが始まります。

• 身体へのアプローチ

施術やボディワークを通じて、身体の緊張を解くことで、感情の記憶が自然と浮かび上がることがあります。

 

 

これらの方法は、特別な技術がなくても始められるものばかりです。大切なのは、否定せず、評価せず、ただ「感じる」ことを許す姿勢です。

 

 

【インナーチャイルドとの対話例】

以下は、実際にインナーチャイルドと対話の一例です。

これは私自身や他の治療家の体験でもあり、クライアントとのセッションでもよく見られるパターンです。

また、これは自問自答するセルフセッションの会話パターンとしても有効です。

 

 

「今、なんでこんなに不安になってるんだろう?」

 

「だって、失敗したら誰にも認めてもらえない気がするの…」

 

「そう感じるのは、いつからだった?」

 

「小学校のとき、テストで悪い点を取ったらすごく怒られた…」

 

「あのとき、怖かったね。今はもう大丈夫。私はあなたを責めないよ」

 

「ほんとに…?怒らない?」

 

「うん。むしろ、よく頑張ってきたねって思ってるよ」

 

このように、過去の記憶や感情に優しく寄り添いながら、自分の中の“子ども”に語りかけることで、安心感と自己理解が深まっていきます。

 

ポイントは、「否定しないこと」「評価しないこと」「ただ感じて、受け止めること」

 

それだけで、インナーチャイルドは少しずつ心を開いてくれます。

 

 

おわりに

インナーチャイルドは、私たちの中にずっと存在していて、時に不器用なかたちで助けを求めています。

 

その声に耳を傾けることは、自分自身との深い信頼関係を築くことでもあります。

 

癒しとは、過去を消すことではなく、過去を理解し、今の自分がそれを包み込むこと。

 

そのプロセスを通じて、人はより自由に、より自分らしく生きられるようになるのです。

 

 

 

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【参考書籍】

前世療法とインナーチャイルド  トリシア・カエタノ (著), 大野百合子 (翻訳)

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