大脳鎌・小脳テントと発達特性の理解 ~脳の「屋根」と「カーテン」を整えるケア~

大脳鎌(だいのうかま)、小脳テント

こんな言葉はほとんどの人が聞いたことが無いと思います。

医療系の国家資格を持っていても正しく説明できる人はあまりいないと思います。

(私は病院勤務時代よく知りませんでした)

でも小児の頭蓋仙骨療法や大人のメンタル的な問題、大人の発達障害を語るうえで欠かせない部分なので、

この記事ではなるべく言葉を噛み砕いて説明していきます。

脳には”支え”が必要

私たちの脳は、柔らかい神経組織だけでなく、それを守り支える膜や骨格によって安定しています。

その中でも重要な役割を果たすのが「硬膜」と呼ばれる膜構造です。

硬膜は頭蓋線骨療法の中でもかなり重視されている”膜構造”であり、脳を覆い、内部を区切ることで情報の流れやバランスを支える役割を持ってます。

その中でも特に頭蓋内にある重要な部分が、大脳鎌 と 小脳テント 。

この大脳鎌と小脳テントは脳の中で「屋根」や「カーテン」のように働きで脳の環境を整える重要な存在です。

大脳鎌・小脳テントとは?

• 大脳鎌:垂直の膜。左右の大脳半球を分ける硬膜のひとつ。まるで家の中の「カーテン」のように、左右の部屋を区切り安定させています。

• 小脳テント:水平の膜。大脳と小脳を上下に分ける硬膜構造。これは「屋根」のように働き、上下の空間を支えています。

このように、脳の中には家の壁や床のように区切りや支えをつくる膜があり、脳の安定性や情報伝達の効率を守っています。

脳が安心して働ける環境をつくるために欠かせない仕組みです。

硬膜の硬さと発達障害の関係

ADHDやASDなどの発達障害は「脳の構造や機能の特性の違い」として理解されています。

研究では、前頭前野・線条体・小脳といった部位の働きの違いが集中力や衝動性に関わることが知られています。

ここで注目されるのが硬膜の硬さです。

硬膜が過度に緊張すると、頭蓋の微細な動き(頭蓋仙骨リズム、呼吸や心臓の鼓動にも影響する揺らぎ)が制限されることがあります。

小脳は感覚情報を統合し、姿勢や集中力を支える役割を持っていますが、硬膜の緊張が小脳や大脳との情報伝達に影響すると、

• 「集中しづらい」

• 「落ち着きにくい」

といった特徴につながる可能性があるのです。

さらに、出産時などに強い力が加わると、硬膜を支える細い「ロープ」のような組織が硬くなることがあると考えられています。

(この「ロープ」は専門家の間ではアーバックル繊維と呼ばれています)

その結果、脳の環境が制限され、情報処理の効率に影響を与えることがあるのです。

これは発達特性の一因として説明できる視点でもあります(もちろん諸説ありです)。

頭蓋仙骨療法とのつながり

こうした硬膜の緊張にアプローチする方法のひとつが 頭蓋仙骨療法 です。

これは医療行為ではなく、脳が本来の力を発揮しやすい環境を整えるためのケアとして位置づけられています。

頭蓋仙骨療法では、硬くなった「屋根」や「カーテン」をやさしく整え、支える「ロープ」を緩めるように働きかけます。

強い刺激を与えるのではなく、まるで家の中の壁や床を少しずつ整えて住みやすくするように、脳の環境を整えていくのです。

施術は非常にソフトで安心できる方法であり、子どもがリラックスして眠ってしまうこともあります。

親御さんからは次のような声が寄せられています。

• 「集中できるようになった」

• 「落ち着いてきた」

• 「人の気持ちを考えれるようになった」

これは硬膜の緊張が緩むことで脳の情報伝達がスムーズになり、感覚や運動のバランスが取りやすくなった結果と説明できます。

脳がのびのび働ける環境へ

脳は本来、柔軟に動きながら情報を処理しています。

環境が整うことで、脳がのびのびと働けるようになり、学びや発達に良い影響を期待できます。

硬膜の緊張を緩めることで、

• 感覚情報の統合がスムーズになる

→ 五感から入る情報が脳内で整理されやすくなり、音や視覚刺激に過敏になりにくくなります。

• 姿勢や集中力が安定する

→ 脳と身体のバランスが取りやすくなり、落ち着いて座る・学習に集中する持続力が高まります。

• 情報の伝達効率が高まる

→ 神経のやり取りがスムーズになり、考えや動作が途切れにくく、学びやすい状態につながります。

といった変化が起こりやすくなります。

これは「脳が持っている力を引き出すための環境づくり」として理解することができます。

まとめ 集中力を支える“環境づくり”

すべてのお子さんに同じ効果があるわけではありませんが、

頭蓋仙骨療法は「脳が本来持っている力を発揮しやすくするための環境づくり」として役立つ可能性があります。

医療行為ではなく、安心して受けられるケアの一つとして、日常の中でお子さんの成長を支える方法になり得るでしょう。

脳の「屋根」や「カーテン」を整えることは、集中力や落ち着きを支える基盤づくりにつながります。

発達特性を理解するうえで、脳の構造や環境に目を向けることは私たち治療家にとっては大切です。

硬膜の硬さや緊張が脳の働きに影響を与える可能性を知ることで、子どもの集中力や学びを支える視点が少しでも得られたなら幸いです。

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