姿勢が心を変えるって本当?
ストレスや不安が続くとき、あなたの姿勢はどうなっているでしょうか?
実は、背すじが丸まるだけで呼吸が浅くなり、心にも余裕がなくなっていくのです。
本記事では「姿勢と心の密接な関係」を治療家の視点からやさしく解説します。
「猫背のとき、なぜ気分が沈むのか?」
私たちの姿勢と感情は密接につながっています。
猫背や前屈みの姿勢は、呼吸を浅くし、自律神経のバランスを乱すことが分かっています。
猫背になれば肋骨の動きが固定されます。
すると呼吸が浅くなり、肋間筋な横隔膜などの呼吸筋の動きが小さく弱くなります。
自律神経のうち交感神経は怒りや悲しみ、不安を増幅させて、副交感神経はリラックスや安心感を促します。
呼吸が浅くなると交感神経が優位に働いて、怒りや悲しみ、不安を感じる時間が長くなります。
また交感神経が働くと筋肉は緊張状態が続いて節々に痛みが出てきます。
これが長続きすると肩こり、腰痛、首こり、頭痛に繋がり、それがやがて慢性化します。
何らかの病気があって痛いわけではないので薬の効果は一過性です。
ちなみに胃腸の働きも悪くなるので胃痛や腹痛、下痢や便秘、ひるがえって全身の倦怠感にも繋がります。
話をメンタルに戻します。
実際、うつ症状のある方ほど、首が前に突き出た“スマホ姿勢”を長時間取っているケースが多いのも事実です。
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逆もまた然り──背筋を伸ばすと脳が前向きになる理由
最新の神経科学では、姿勢がホルモン分泌や感情調整に影響することが明らかになっています。
胸を開いて立つと、交感神経と副交感神経のバランスが整い、セロトニンやドーパミンなど“幸福ホルモン”の分泌が促進される傾向があります。
背骨のS字ラインが綺麗に出来るわけですから、胸が自然に張れて呼吸は深く大きくできます。
胸が張れると肋骨の動きが広がって、呼吸筋の働きも強くなり、動きも大きくなります。
呼吸が、大きくゆっくり深くできるわけですから、副交感神経が適度に働いて、リラックスや安心感が増幅されて、少し位辛い出来事があっても簡単には動じない体になります。
筋肉は適度にリラックスできているので、腰痛や肩こり、首こりや頭痛にはなりにくいです。
胃腸はしっかりと働きやすく、栄養が体中や脳にしっかりと行き届きやすくなるので体は軽く、頭はすっきり冴え渡る感覚が得られます。
心はリラックスして、体は軽くて、頭は冴え立っている感覚があるので、精神も前向きになります。
整体で「心が軽くなる」と感じた理由
当院でも
「肩の力が抜けたら気持ちまで楽になった」
「視界が明るくなった」
などのお声をよくいただきます。
それは、単に筋肉がゆるんだからではなく、
“姿勢が変わり、心の呼吸スペースができた”
からかもしれません。
実際に呼吸の深さは沈んだ心を安定した心に変えるほど重要なカギだったりします。
治療家の世界では、
「心を治したければ体を治せ、体を治したければ心を治せ」
という有名な言葉があります。
この言葉は、
心身一如(しんしんいちにょ)
という東洋的な思想を端的に表しています。
特に仏教や東洋医学、そして現代の整体のみならず、最近流行りのマインドフルネスの世界でも、この考え方は重要視されています。
毎日のケアで、心の姿勢も整える
• 朝イチ、両手を空に伸ばすだけでも“心の開放感”を感じる習慣に
• 深呼吸をしながら姿勢を整える「呼吸+重力リセット」メソッド
• 座る姿勢に意識を向けるだけで、午後の集中力が変わる
「心の不調は、姿勢で変えられる」
ちょっと信じがたいかもしれませんが、実はそれが“身体の智慧”です。
背すじが丸まると、呼吸が浅くなり、表情が曇り、考え方さえも内向きになっていきます。
逆に、ほんの少し胸をひらき、骨盤を立てて深く呼吸するだけで、心の雲が晴れていくような感覚になることがあります。
私はカイロプラクターではありませんが、背骨と骨盤を整えるカイロプラクティックが、世界中で広く受け入れられているのも、身体を通して心にアプローチできる手法だからかもしれません。
姿勢を変える。それだけで、呼吸が変わり、神経の流れが整い、日々の感じ方が少しずつ変わっていくのです。
今日も、あなたの背中をそっと支える治療家でありたい。
たとえ見えなくても、あなたの姿勢と心の向きを、静かに応援しています。
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