脳と心を「再設計」する運動の力
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運動するとメンタルに良いってよく聞きますよね?
うつや不安といった症状は、単なる気分の問題ではなく、脳や神経の働きに深く関係しているんです。
そんな中で注目されているのが「運動」の効果です。
運動は、身体だけでなく心にも良い影響を与えるということ、しかもかなり効果的な処方箋であるということがわかってきています。
「運動?それが心に良いことぐらいわかってるよ!」
「運動なんて疲れるからムリ!」
と思っている方も多いですよね。
理由がありますが、運動が心にも体にも良いとわかっていながら、実行に移せていない人がほとんどだと思います。
それでも、運動するメリット、運動がメンタルの回復にどれだけ貢献するか?
その効果が期待値を超えるものであることを知れば、実行せずにはいられません。
この記事を読み終わる頃には、ウォーキングシューズやダンベルの準備をしているかもしれません。
それでは、運動の効果について触れていきます。
①運動は脳の各領域の連携を強化する
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運動は脳内の血流を増加させ、BDNF(脳由来神経栄養因子)の分泌を促進します。
これにより海馬や前頭前野をはじめとする各領域の神経細胞が活性化され、シナプスの可塑性が高まります。
シナプスの可塑性って?(「かそせい」と読みます。)
聞き慣れない言葉ですがわかりやすく言えば、傷ついた神経細胞が別ルートで再構築されていくということです。
運動習慣を継続することでデフォルトモードネットワークやといった大規模ネットワーク内の機能的結合が強化され、注意の切り替えや創造的思考が促進されます。
特にデフォルトモードネットワークといわれる脳の部位が過活動を起こし、正常に機能しないと、
一人の時間に嫌な記憶が何度も何度も襲ってきて、クヨクヨと悩んでしまいます(反芻思考)。
これにより家で1日いるだけで精神を消耗してしまう状態が起こります。
運動はこれらの状態を軽減及び解消していくことを助けます。
つまり、運動によって脳の各領域の連携が強化・正常化されるということです。
②運動は自律神経を整える
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まず、メンタルの安定に欠かせないのが「自律神経」のバランスです。
自律神経は、交感神経と副交感神経から成り立っていて、私たちの呼吸や心拍、消化、睡眠などを無意識に調整しているんです。
ストレスがかかると交感神経が優位になり、緊張状態が続いてしまいます。
これが不安やイライラの原因になるということです。
交感神経が悪で、副交感神経が正義というわけではありません。
どちらも大切で、その切り替えスイッチがしっかりと機能していることが「自律神経が整っている状態」といえます。
運動は、この自律神経のバランスを整える働きがあるんです。
特にウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は、自律神経の切り替えスイッチが正常化することにより、副交感神経が働きやすくなりリラックスした状態に導いてくれるんですよね。
運動後に「気分がすっきりした」と感じるのは、まさにこの自律神経の調整が働いているからなんです。
③運動は海馬を強化して脳の構造を再設計する
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(※実際の海馬はタツノオトシゴのような姿をしています)
さらに、運動は脳の構造にも影響を与えることがわかっています。
注目すべきは「海馬」という脳の部位です。
海馬は記憶や感情の処理に関わっていて、近年の研究ではうつの人ではこの海馬が萎縮していることが多いとわかっています。
ここで重要なのが①でも触れたのですが、「BDNF(脳由来神経栄養因子)」というタンパク質です。
BDNFは神経細胞の成長や再生を促す働きがあり、運動によってこのBDNFが増えることが確認されています。
つまり、運動によってBDNFが増えると、海馬の神経細胞が再生されて、記憶力や感情の安定性が向上するということです。
これは、脳の“再設計”とも言えるほどの変化なんです。
④脳は脳内ホルモンの分泌をコントロールする
また、メンタルの安定には「セロトニン」と「ドーパミン」という神経伝達物質も重要です。
セロトニンは“幸せホルモン”とも呼ばれていて、気分の安定や睡眠、食欲に関係しています。
ドーパミンは“やる気ホルモン”で、快感やモチベーションを生み出す働きがあるんです。
運動は、このセロトニンとドーパミンの分泌を促進するんですよね。
特に朝の運動はセロトニンの生成に効果的で、日中の気分の安定や集中力の向上につながるんです。
ドーパミンは、運動による達成感や爽快感と結びついて、脳をポジティブに活性化させてくれるということです。
⑤運動は脳の連合野に影響を与える
そして、運動は「脳の連合野」にも良い影響を与えます。
連合野は、感覚情報を統合して思考や判断、創造性を司る領域なんです。
運動によって血流が増えると、この連合野の活動が活性化されて、集中力や注意力が高まるんですよね。
つまり、運動は頭を良くするということです。
日本では、勉強も運動もできることが「文武両道」と表現されて少し特別視される傾向にありますが、
欧米では「文武両道」は当たり前だと言われています。アイビーリーグの学生たちは頭脳も運動も世界レベルです。
実際に、運動習慣のある人は仕事や学習においても高いパフォーマンスを発揮する傾向があるということです。
⑥運動は多動性、コミュニケーションをも改善する
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実は運動は今問題になっている多動性にもコミュニケーションにも良い影響があるんです。
運動をすると、前頭前野の血流が増えて働きが整いやすくなるんです。
前頭前野は脳の中でも“実行機能”を担う重要な領域で、注意のコントロール、衝動の抑制、計画性、感情の調整などを司っています。
多動性のある人は、この前頭前野の活動が不安定だったり、機能が十分に発揮されていないケースが多いんです。
運動で前頭前野の血流を促進させることによって、衝動的な行動が落ち着きやすくなり、多動性が緩和される傾向があります。
また、運動習慣が身につくと、自己調整力や集中力が高まりやすくなります。
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そうすると、感情のコントロールがしやすくなったり、対人場面でのやり取りがスムーズになったりするんです。
散歩やジョギングなども良いのですが、特にチームスポーツやグループでのエクササイズは、協調性や共感力を育てる場にもなりますし、自然とコミュニケーションの機会も増えるといわれています。
つまり、運動は多動性を落ち着かせるだけでなく、人との関わり方にも良い変化をもたらしてくれるということです。
⑦運動は抗うつ薬に匹敵する効果をもたらす
※あくまでこれは一定の条件下での話になります。
不安やうつといったメンタルの不調は、脳内の神経伝達や構造の変化によって引き起こされるものです。
だからこそ、運動という“身体からのアプローチ”が有効なんですよね。
薬物療法やカウンセリングと並行して運動を取り入れることで、より構造的かつ持続的な改善が期待できるということです。
特にうつ病に関しては、運動が「抗うつ薬と同等の効果を持つ」とする研究もあるんです。
これは、BDNFの増加、海馬の再生、セロトニン・ドーパミンの分泌、そして自律神経の安定という複合的な要因によるものなんですよね。
つまり、運動は単なる健康法ではなく、脳の構造的な変容を促す、神経のバランスを整え、感情を安定させ、集中力を高める“神経科学的な介入”なんです。
自律神経、海馬、BDNF、セロトニン、ドーパミン、脳の連合野、これらが複雑に絡み合い、運動によって再構築されるということです。
不安やうつに悩む人こそ、運動を“治療”として捉えてもらいたいです。
(※もちろん第一選択肢は医療機関です)
そして、日々の習慣として取り入れることで、メンタルの安定と脳の活性化を同時に手に入れることができるんですよね。
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